お風呂でトリートメントを使うたびに、「このくらい流せば十分かな」「流しすぎて、せっかくのうるおいまで落ちてしまわないかな」と迷ったことはありませんか。パッケージには「よくすすぐ」とだけ書かれていることが多く、どのくらいの時間、どこまで流せばよいのかは、意外と教えてもらう機会が少ないものです。

実は、すすぎは「足りなくても、やりすぎても」髪や頭皮の心地よさに影響しやすい工程です。トリートメントの選び方やつけ方の記事は数多くありますが、この記事では「どのくらい流すか」だけに絞って、美容師の視点から目安と見極め方を整理します。今夜のお風呂から無理なく試せる内容ですので、気軽に読み進めてみてください。

ぬるつきが手に残らず、髪が引っかからずに通るまで流す

先に結論からお伝えすると、すすぎの終わりは「時間」よりも「髪の状態」で見るのがわかりやすい方法です。具体的には、髪を触ったときに膜のようなぬるぬる感が手に残らないこと、指でとかしたときに引っかからずさらっと通ること、頭皮や生え際にぬめりを感じないこと。この3つがそろったところが、流し終わりのひとつの目安になります。

時間で目安を挙げるなら、髪の量や長さにもよりますが、ショートで30秒ほど、ミディアムからロングで1分前後がひとつの参考です。ただし、シャワーの勢いや髪の量、使っているトリートメントによって、必要な時間は変わります。時計で測るよりも、手の感触で確かめるほうが、その日の髪に合わせやすいでしょう。

「流しすぎると、せっかくの成分が全部落ちてしまう」と心配される方もいらっしゃいますが、ぬるつきが取れたあとに、さらに長く流し続ける必要はありません。反対に、ぬるつきが残ったまま終えると、髪が重く感じられたり、頭皮がべたついたりすることがあります。「足りないところ」と「やりすぎないところ」のちょうど間を、手の感触で見つけていくイメージです。確認の流れを下の図にまとめました。

すすぎの終わりを見極める3つの確認|髪と頭皮のぬるつきを手で確かめ、流し終わりを判断する流れ

流す時間の目安は?髪の長さ・量・製品で変わります

流す時間の目安を、髪の長さで整理してみます。あくまでひとつの参考ですが、ショートなら30秒ほど、ボブからミディアムなら45秒から1分ほど、ロングなら1分から1分半ほどを見ておくと、慌てずにすすげることが多いようです。「思ったより長い」と感じる方もいるかもしれません。シャワーを当てるだけでなく、手ぐしを通しながらぬるつきを確かめる時間も含めた目安です。

髪の量や太さによっても、流れやすさは変わります。毛量が多い方や太くしっかりした髪は、内側にぬるつきが残りやすく、外側は流れているのに、手を入れてみると内側がぬるついていた、ということがあります。反対に、細くやわらかい髪は流れやすい一方で、少しでも残ると重く見えたり、根元がペタンとして見えたりしやすい傾向があります。同じ時間でも、髪質によって感じ方が違うのは自然なことです。

製品による違いも見逃せません。とろみの強いものや、油分の多いしっとりタイプは、流れにくいと感じる場合があります。逆にさらりとした軽めのタイプは、短い時間でも手触りが変わる方が多いでしょう。パッケージや説明書に「すすぎ時間」の目安が書かれている場合は、そちらを優先してください。「軽くすすぐ」と書かれているものと、「ぬるつきが残らないようよくすすぐ」と書かれているものがあり、製品ごとの設計が違うためです。

なお、この記事でお伝えしているのは、お風呂で使う洗い流すタイプのトリートメントについてです。乾かす前や乾いた髪に使う「洗い流さないトリートメント」は、すすぎの工程そのものがありませんので、混同しないようにしてください。

流し残し・流しすぎ、それぞれ起こりやすいこと

まず、流し残しのほうから考えてみます。ぬるつきが髪に残ったままだと、乾かしたあとに髪が重くペタンとしたり、べたつきを感じたりすることがあります。根元や頭皮の近くに残っている場合は、においやべたつき、かゆみのような違和感を覚えるきっかけになる方もいらっしゃいます。「トリートメントは頭皮につけないようにしているのに」と思っていても、毛先から流れ落ちた分が、頭皮や首筋に触れて残ることがあるためです。

流し残しが起こりやすいのは、生え際、耳の後ろ、襟足、頭頂の分け目といった部分です。とくにロングの方や髪の量が多い方は、内側の髪にも残りやすくなります。これらの場所は、シャワーが当たりにくく、自分の目でも確かめにくいので、手で触れて確認する習慣をつけるとよいでしょう。

お風呂の中で判断しにくいときは、乾かしたあとの様子も手がかりになります。乾いたときに髪が重く感じる、根元がすぐペタンとする、翌朝になると頭皮がべたつく、といった変化が続くときは、すすぎ方を見直すきっかけになります。ただし、髪の重さはトリートメントの量や種類が合っていないことでも起こります。すすぎだけが原因と決めつけず、量や使う頻度もあわせて見直してみてください。

一方、流しすぎについてはどうでしょうか。髪になじんだ成分が、すすぐだけですべて流れてしまうわけではありません。流しているのは、髪の表面に余っている分だと考えるとわかりやすいと思います。ですから、ぬるつきが取れたあとに神経質に長く流し続ける必要はない、というのが、美容師としての基本的な考え方です。

ただし、流し続けることそのものが、髪に負担をかける場合もあります。熱いお湯を長く当て続けると、頭皮や髪の乾燥を感じやすくなることがあります。また、髪同士をこすり合わせるようにして流していると、摩擦でキューティクル(髪の表面のうろこ状の層)が傷みやすくなります。どちらかに寄りすぎず、「ぬるつきが取れたら止める」と決めておくと、迷いにくくなります。

流し方の手順|水温・順番・手ぐしのコツ

流し方は、難しい工程ではありません。いくつかのコツを押さえると、短い時間でも心地よく仕上げやすくなります。

まず水温です。目安として、38度前後のぬるま湯が扱いやすいでしょう。熱すぎるお湯は、髪や頭皮の乾燥を感じやすくなることがあります。反対に、冷たすぎると、トリートメントのぬるつきが取れにくく感じる場合があります。手の甲で触れて「少しぬるいかな」と思うくらいから始めて、季節に合わせて調整してみてください。

次に順番です。シャワーは、頭皮に近い根元側から毛先に向かって、上から下へ流していくのが基本です。トリートメントは頭皮につけないのが原則ですが、毛先から流れ落ちる分が頭皮や首筋につくことがあるため、頭皮側もあわせてシャワーを当てておくと安心です。そのうえで、髪を手ぐしでほぐしながら、髪の束を手のひらで軽くはさみ、上から下へすべらせるようにして流します。ゴシゴシこすらず、水の力でぬるつきを流すイメージです。

見落としやすい場所も、あらためて確認しておきましょう。襟足、耳の後ろ、生え際、顔まわりの髪、そして髪の内側です。ロングやボブの方は、髪をまとめて持ち上げたままにせず、内側の髪にもシャワーを通します。髪を左右に分けて、内側に手を入れながら流すと、流し残しに気づきやすくなります。

腕や肩が上げにくい日もあるかと思います。年齢とともに、長い時間腕を上げ続けるのがつらくなる方も少なくありません。そうした日は、シャワーヘッドを頭の近くに固定できるホルダーを使ったり、少し前かがみになって髪を前に垂らしたりすると、無理のない姿勢で頭皮側までお湯を届けやすくなります。頑張って長く流すよりも、楽な姿勢で確実に流すほうが、毎日続けやすいものです。

仕上げに、髪を手のひらにのせて、ぬるつきが残っていないか、指でとかして引っかからないかを確かめます。ここで問題がなければ、すすぎは終わりです。コンディショナーを重ねる場合も、同じように毛先中心につけて、最後に生え際と襟足を確かめてください。お風呂から出たあとは、タオルで包んでやさしく水気を押さえ、早めにドライヤーで根元から乾かすと、髪も頭皮も落ち着きやすくなります。

髪の状態や場面で変わる、すすぎの考え方

すすぎの目安は、髪の状態や場面によっても少しずつ変わります。よくあるケースをいくつか挙げてみます。

細くやわらかい髪や、根元がペタンとしやすい方は、ぬるつきを残さないことが大切です。少し残っただけでも、乾かしたあとに重く見えやすいからです。トリートメントの量を控えめにして、その分、すすぎを丁寧にすると、ふんわり感を保ちやすくなります。

乾燥やパサつきが強い髪や、太くしっかりした髪の方は、ぬるつきが取れる手前で止めたくなる方もいるかもしれません。けれども、「しっとりさせたいから」と流し残すのではなく、ぬるつきをきちんと取ったうえで、指どおりのなめらかさを確かめてみてください。しっとり感は、流し残しではなく、乾かしたあとの手触りで確かめるほうが安心です。

白髪染めやカラーをした日は、頭皮が敏感に感じられる方もいらっしゃいます。そうした日は、ぬるま湯で、こすらずにやさしく流すようにしてください。熱いお湯を長く当て続けると、色の抜けを感じやすいという声もあります。美容室で染めた日は、担当の美容師から案内があれば、そちらを優先しましょう。

頭皮のべたつきやにおいが気になる方は、髪の毛先だけでなく、頭皮に近い部分の流し方を見直してみる価値があります。トリートメントの量が多すぎないか、生え際や襟足を丁寧に流せているか、という点です。それでも、かゆみや赤みなど気になる状態が続くときは、自己判断で様子を見続けず、皮膚科など専門の医療機関に相談することをおすすめします。美容室は医療機関ではないため、頭皮の症状そのものについては診断や判断ができないからです。

自分では判断しにくいときは、美容師に伝えてみる

すすぎの目安は、ここまでお伝えしたように、髪の長さや量、髪質、製品によって少しずつ違います。「自分の髪では、どのくらいが合っているのだろう」と感じたときは、美容室で相談してみるのもひとつの方法です。

たとえば、今使っているシャンプーやトリートメントの名前、使う量、すすぐおおよその時間をメモして持っていくと、話が伝わりやすくなります。乾かしたあとに髪が重く感じる、頭皮がべたつく、生え際にぬめりを感じることがある、といった気になる点も、そのまま伝えてみてください。美容師は、髪の状態を実際に触りながら、使い方や量、すすぎ方の見直しどころを一緒に考えることができます。

三島市・沼津市・長泉町・清水町で美容室を探すときも、商品をすすめられるだけでなく、髪や頭皮の状態を見ながら、毎日の使い方から相談に乗ってくれるかどうかを目安にすると安心です。

髪の状態別 すすぎの目安|髪質や場面に合わせて、すすぎの確認ポイントを変える目安

今夜から試せる、ぬるつきを確かめるすすぎ方

トリートメントのすすぎは、時間だけを追うよりも、手で触れて確かめることが近道です。ぬるつきが手に残らない、指でとかして引っかからない、頭皮や生え際にぬめりがない。この3つを確かめて、そろったところで止める。それだけで、流し残しも流しすぎも避けやすくなります。

水温はぬるま湯にして、上から下へ、手ぐしを通しながら、襟足や耳の後ろ、髪の内側まで丁寧に流してみてください。髪質や季節、その日の髪の調子によっても感じ方は変わるため、正解をひとつに決めすぎず、自分の髪に合う目安を少しずつ見つけていけば十分です。使い方に迷うときや、髪と頭皮の状態が気になるときは、これまでのケアや気になる点を、担当の美容師にお気軽にご相談ください。