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サロン専売品は市販品と何が違う?|60代のシャンプー・トリートメント選び

サロン専売品は市販品と何が違う?|60代のシャンプー・トリートメント選びの内容を示すアイソメトリック図解

美容室で仕上げてもらった日は、手ざわりも髪の落ち着き方も驚くほど違うのに、家で数回洗ううちに元の感じに戻ってしまう。そんなとき、レジの横に並んでいるシャンプーのボトルが気になった経験はありませんか。手に取ってみると、ドラッグストアで買っているものの二倍、三倍という値段がついていることも珍しくありません。「高いだけの理由があるのだろうか」「思い切って変えたほうがいいのだろうか」と迷ったまま、その日は買わずに帰ってきた——というお話は、実際によく伺います。

40代を過ぎたころから、髪は水分を抱える力や頭皮の皮脂の出方が少しずつ変わってきます。60代になると、若いころに使っていたものが物足りなく感じられることも増えてきます。そうした時期だからこそ「値段の高いものに変えれば解決するのだろうか」という疑問が浮かびやすいのですが、実は価格の高さと自分の髪に合うかどうかは、別々に考えたほうがよい話です。ここでは、サロン専売品と市販品の設計の違いがどこにあるのかを整理しながら、自分にはどちらが向いているのかを見分ける手がかりをお伝えします。

値段の差は「効きめの強さ」ではなく、設計をどこまで絞り込んだかに出る

先にお伝えしたいことがあります。サロン専売品と市販品のいちばん大きな違いは、効きめの強弱ではなく、どれくらい対象を絞って作られているかという設計の幅です。

市販品は、ドラッグストアやスーパーの棚に置かれ、あらゆる年代・髪質の方が手に取ることを前提に作られています。誰が使っても大きく外れないこと、初めて使う人が説明なしに使えること、毎日続けられる価格であること——この三つを同時に満たす必要があるので、性格はどうしても中庸に寄ります。良くも悪くも、幅広い人にとって「悪くない」ところへ着地させる設計です。

一方でサロン専売品は、美容師が状態を見たうえで手渡すことを前提にしています。使う人の髪の状態がある程度わかっているので、「くせが強くて広がる髪」「白髪染めを繰り返して毛先が乾いている髪」といった具合に、狙う範囲を絞って作ることができます。絞られている分、目的が自分と合っていれば手ごたえを感じやすくなりますが、逆に合っていなければ、値段が高くても物足りなく感じることが起こります。

つまり「高いほうがよく効く」のではなく「高いほうが、合う人にはよく合う代わりに、外れることもある」という関係です。この前提を持って売り場に立つと、価格を判断材料の中心に置かなくて済むようになります。

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想定している使い手が違うから、成分の並びも量も変わってくる

設計の幅が違うと、中身にも自然と差が出てきます。ただしそれは「良い成分か、悪い成分か」という単純な線引きではありません。

たとえば洗浄成分です。市販のシャンプーには、しっかり泡立って短時間でさっぱり洗えるタイプが多く使われています。汗をかく季節や、整髪料をつける方には扱いやすい設計です。一方でサロン専売品には、泡立ちがおだやかで洗い上がりに油分を残しやすいタイプが選ばれていることがあります。頭皮が乾きやすい方には向きますが、べたつきが気になる方には物足りなく感じられます。どちらが優れているという話ではなく、想定している頭皮の状態が違うのです。

うるおい成分の入れ方にも違いが出ます。市販品は幅広い方が使う前提なので、香りや泡立ち、指通りといった「使ったときにわかりやすい心地よさ」に配慮した配合になりやすい傾向があります。サロン専売品はそこに加えて、繰り返し使ううちに手ざわりが積み上がっていくことを狙った設計のものがあります。一回で劇的に変わるというより、続けて使ったときの落ち着き方に差が出やすい、という性格です。

もうひとつ知っておくとよいのが、一本あたりの容量と一回に使う量の関係です。サロン専売品は泡立ちや伸びを考えて作られているため、市販品より少ない量で足りることがあります。ボトルの値段だけを比べると倍以上に見えても、一回に使う量が半分であれば、実際の一日あたりの負担はそこまで開かないこともあるのです。「一本の値段」ではなく「一か月に使う量と金額」で見比べると、判断が現実的になります。

値段の内訳を分けて考えると、何にお金を払っているかが見えてくる

なぜ価格が違うのかを、もう少し分けて考えてみます。値段の中身は、大きく三つに分かれます。

ひとつめは、中身そのものにかかる費用です。原料の種類や配合の設計、香りの作り込みなどがここに含まれます。ふたつめは、届けるまでにかかる費用です。市販品は大量に作って全国の店舗へ流す仕組みなので、一本あたりの負担が下がります。サロン専売品は生産量がそれほど多くなく、美容室という限られた場所へ届けるため、同じ中身でも一本あたりの負担が上がりやすくなります。三つめは、売り場での説明にかかる部分です。美容室では、髪と頭皮の状態を見たうえで説明して渡すという工程が入ります。

ここで大事なのは、値段の差のすべてが中身の差ではないという点です。流通の規模が違えば、中身が同等でも価格には差が出ます。ですから「高いから中身が三倍良い」と考えるのは実態と合いません。逆に「安いから中身が劣る」というのも同じくらい実態と合っていません。

そして三つめの「説明」の部分は、実は買う側にとって使いどころのある費用です。自分の髪の状態を見てもらったうえで、なぜこれを勧めるのかを聞ける。合わなかったときに、次はどこを変えればよいかを相談できる。この往復ができることが、対面で買うことの中身と言えます。逆に言えば、説明を受けずにただ製品だけを手に入れるのであれば、その分の価値は受け取れていないことになります。

もうひとつ、対面で買うことには「合わなかったときに戻せる」という利点があります。市販品は買ったあとに合わないと感じても、相談する相手がいないため、そのまま棚の奥にしまわれてしまいがちです。美容室で選んだものであれば、次に伺ったときに「思ったより重く感じた」「頭皮がつっぱる気がした」と伝えるだけで、次の一本を別の方向へずらすことができます。一度で当てることを目指すのではなく、二回、三回とかけて自分の髪に寄せていく——この積み重ねができる点が、値段に含まれているもうひとつの中身だと考えていただくとよいと思います。

高いほうが合うとは限らない。パサつきの出どころを先に見る

ご相談の中でよくあるのが、「良いシャンプーに変えたのに、パサつきが変わらない」というお声です。これはたいてい、製品選びが間違っていたというより、悩みの出どころが別のところにあったというケースです。

40代から60代の髪が乾いて見える理由は、ひとつではありません。カラーを繰り返していることで毛先の状態が変わっている場合もあれば、乾かし方に原因がある場合もあります。夏場であれば紫外線の影響も無視できませんし、実は洗いすぎで頭皮の油分が足りていないという場合もあります。原因が乾かし方にあるのなら、シャンプーを高いものに変えても手ごたえは出にくく、ドライヤーの当て方を変えたほうが早く変化を感じられます。

ですから、製品を変える前に一度立ち止まって、どこから乾いて見えているのかを整理してみてください。毛先だけがパサついているのか、根元から全体的に元気がないのか。洗った直後は良いのに、乾かすと広がるのか。朝はまとまっているのに、夕方に広がってくるのか。この違いによって、変えるべきものはシャンプーだったり、洗い流さないトリートメントだったり、乾かす順番だったりします。

そのうえで製品を選ぶなら、いきなり全部をそろえないことをおすすめします。シャンプーとトリートメントを同時に変えると、変化があったときにどちらが効いたのかがわからなくなります。まずは気になっているほうを一本だけ変えて、二週間から一か月ほど様子を見る。この進め方のほうが、次の一本を選ぶときの手がかりが残ります。

美容室で買うときに聞いておきたい三つのこと

サロンで購入を考えるとき、値段だけを見て決めてしまうともったいないです。せっかく対面で買うのですから、以下の三つは遠慮なく聞いてみてください。

ひとつめは、なぜ自分にこれを勧めるのかという理由です。「頭皮が乾きやすいから洗浄がおだやかなもの」「毛先の広がりが気になるから重さのあるもの」といった具合に、自分の状態と製品の性格が結びついた説明が返ってくるはずです。この説明を聞いておくと、次に選ぶときの物差しになります。

ふたつめは、一回に使う量と使う位置です。同じ製品でも、量が多すぎればべたつき、少なすぎれば本来の使い心地が出ません。トリートメントであれば、耳から下の中間から毛先を中心につけて根元は避けるのが基本の目安ですが、髪の長さや状態によって加減は変わります。

三つめは、どれくらいで使い切れる量かという点です。開けてから長く置いたものは、香りや使い心地が少しずつ変わってきます。三か月ほどで無理なく使い切れる量かどうかを目安にして、初めて試すものは小さいサイズから始めると失敗が少なくなります。気に入ってから大きいサイズに移るほうが、結果的に無駄が出ません。

もし価格が負担に感じるようであれば、そのことも伝えて構いません。すべてをサロン専売品でそろえる必要はなく、いちばん効かせたい一本だけをサロンで選び、残りは市販品で組み立てるという方法もあります。頭皮に合うシャンプーは市販品で、毛先のケアだけサロンのトリートメントで、という組み合わせをされている方はたくさんいらっしゃいます。

季節によって選び分けている方もいらっしゃいます。汗をかいて頭皮がべたつきやすい夏はさっぱり洗えるものに、空気が乾く冬から春先はうるおいを残すものに、といった具合です。一年を通してまったく同じものを使い続けなければならない決まりはありませんので、髪や頭皮の感じ方が変わってきたと思ったら、使い切るタイミングで方向を少し変えてみるのもひとつの方法です。この見直しのときに、前に選んだ理由を覚えていると比較がしやすくなります。

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値段ではなく、自分の髪に必要なほうから選ぶ

サロン専売品と市販品は、どちらかが正解でどちらかが不正解というものではありません。幅広い方に合わせて中庸に作られたものと、対象を絞って作られたもの。その違いを知ったうえで、自分の悩みがはっきりしているならサロンで相談しながら選び、まだ絞りきれていないなら続けやすい市販品で様子を見る。この使い分けができると、ヘアケアにかける費用も気持ちも無理がなくなります。

大切なのは、値段を安心の代わりにしないことです。高いものを買ったから大丈夫と考えるより、自分の髪がいま何を必要としているのかを言葉にできるほうが、選ぶ精度は上がります。「毛先が乾く」「根元がぺたんとする」「夕方に広がる」——このくらい具体的になっていれば、売り場でも美容室でも話が早く進みます。もし自分の髪の状態がうまくつかめないときは、次に美容室へ行かれたときに、いま使っているものを伝えたうえで相談してみてください。何を変えると変わりやすいのかを、状態に合わせて一緒に整理できます。

大事なポイント

Q.サロン専売品のほうが、市販品より品質は良いと考えてよいですか?
A.上下の関係ではなく、想定している使い手の幅が違うと考えていただくとわかりやすいです。市販品は幅広い年代・髪質の方が使って大きく外れないように作られており、サロン専売品は特定の悩みに向けて範囲を絞って設計されている傾向があります。絞られている分、目的が自分と合えば手ごたえを感じやすく、ずれていれば高くても物足りなく感じることがあります。
Q.美容室で使ってもらったシャンプーを家で買えば、同じ仕上がりになりますか?
A.同じ製品でも、家では仕上がりが違って感じられることがほとんどです。美容室では洗う姿勢や湯温、すすぎの時間、そのあとの乾かし方まで含めて仕上げているためです。製品をそろえることは近づく助けにはなりますが、乾かし方を少し整えるほうが手ざわりの差を埋めやすい場合もあります。気になる点があれば、担当の美容師に家での手順を聞いてみてください。
Q.サロン専売品と書かれた商品が、通販でも売られているのはなぜですか?
A.本来は美容室での対面販売を前提にした流通ですが、実際にはさまざまな経路で通販に並ぶことがあります。保管の状態や製造からの経過期間がわからないもの、詰め替えの中身が確認できないものもあるため、初めて使う製品は美容室で相談しながら選ぶほうが安心です。価格だけで判断せず、どこから来たものかを見ておくとよいでしょう。
Q.値段が高いシャンプーに変えれば、髪のパサつきは落ち着きますか?
A.価格と合いやすさは必ずしも一致しません。パサつきの出どころが乾かし方や紫外線、カラーの繰り返しにある場合、シャンプーを変えるだけでは変化を感じにくいことがあります。まずは何が原因で乾いて見えているのかを整理してから、そこに合う製品を選ぶほうが近道です。判断に迷うときは美容師に相談していただくと絞り込みやすくなります。
Q.市販品とサロン専売品を組み合わせて使ってもよいですか?
A.問題ありません。頭皮に合うシャンプーは市販品で、毛先のケアはサロンで選んだトリートメントで、という組み合わせをされている方は多くいらっしゃいます。同じシリーズでそろえると香りや仕上がりの方向がそろう良さはありますが、そろえなければならない決まりはありません。続けやすい形で組み立てるのが一番です。

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