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頭皮に傷やかさぶたがあるときの白髪染め|染める前に確かめたいこと

頭皮に傷やかさぶたがあるときの白髪染め|染める前に確かめたいことの内容を示すアイソメトリック図解

白髪染めの予約が近づいたある日、鏡で分け目を見て「あ、ここ掻いてしまった」と気づくことがあります。爪が当たってできた小さな傷、乾燥してめくれた皮、かゆくて掻いた跡が小さなかさぶたになっている。40〜60代になると、頭皮も顔の肌と同じように乾きやすくなり、こうした小さな変化が起きやすくなります。

そのまま染めてよいのか、それとも日を改めたほうがよいのか。予約を取り直すのも気が引けて、迷いながらそのまま美容室の椅子に座ってしまう方は少なくありません。ここでは、頭皮に傷やかさぶたがあるときに白髪染めをどう考えればよいのか、染める前に確かめておきたいこと、そして当日にとれる進め方の選択肢を、美容師の視点から順に整理していきます。

気になる場所は、染める前に伝えるほど選べる道が増えます

先にお伝えしたいのは、頭皮に気になる場所があるときは、ご自身で「これくらいなら大丈夫だろう」と判断するより、染める前に美容師へ伝えていただくほうが、その日にとれる方法がはっきり増えるということです。

美容師は、地肌の状態を見たうえで、塗る位置をずらしたり、薬剤の種類を変えたり、染める範囲を狭めたりといった調整ができます。ただしそれは、傷やかさぶたがそこにあると分かっている場合に限られます。髪をかき分けながら手早く塗っていく作業のなかで、乾いた小さなかさぶたは見落とされることがありますし、伝えられていなければ通常どおりの手順で進むことになります。

「言うと断られてしまうのでは」と心配される方もいらっしゃいますが、伝えていただいた結果として必ずその日は見合わせる、ということにはなりません。実際には、進め方を少し変えることでそのまま染められる場合のほうが多くあります。判断の材料が増えるほど、無理のない選び方ができるようになる、と考えていただければと思います。

白髪染めの前に地肌を確かめる3つの手順|白髪染めの前に頭皮の傷やかさぶたを確かめる3つの手順

40〜60代の頭皮に、小さな傷やかさぶたができやすくなる理由

そもそも、なぜ気づくと地肌に傷ができているのでしょうか。ひとつには、年齢とともに頭皮の皮脂と水分のバランスが変わり、乾きやすくなることがあります。顔の肌が以前より乾燥しやすくなったと感じている方は、頭皮でも同じことが起きていると考えていただくと分かりやすいと思います。頭皮は髪に覆われていて目に入らないぶん、変化に気づくのが遅れがちな場所でもあります。

乾いた地肌はムズムズとしたかゆみを感じやすく、テレビを見ているときや眠っている間に、無意識に掻いてしまうことがあります。爪が当たれば小さな傷になり、それが乾いてかさぶたになります。かさぶたのできた場所はまたかゆみを感じやすいので、掻いては傷つけるという行き来が続いてしまうこともあります。

きっかけは掻くことだけではありません。夏場の紫外線で分け目が日焼けしていたり、シャンプーのときに指の腹ではなく爪を立ててしまっていたり、シャンプーブラシを強い力で動かしすぎていたり。ヘアピンやカチューシャがいつも同じ場所に当たっている、整髪料が地肌に残ったままになっている、といったことも重なります。白髪染めを定期的に続けていること自体も、地肌にとっては小さな刺激の積み重ねになります。原因はひとつではなく、いくつかが少しずつ重なって表に出てくることがほとんどです。

掻いてしまう前に見直したい、毎日の頭皮ケア

小さな傷やかさぶたは、できてから対応するよりも、そもそも掻かずに済む状態を保つほうがずっと楽です。特別なことをする必要はなく、毎日の洗い方と乾かし方を少し見直すだけでも、地肌の感じ方は変わってきます。

まずシャンプーですが、爪を立てずに指の腹を使って動かすことが基本になります。かゆいところがあると、つい爪でかき出したくなりますが、そこはいちばん傷のつきやすい場所です。湯の温度も見直したいところで、熱いお湯は洗っているあいだは気持ちよく感じられる一方、必要な皮脂まで流してしまい、洗い上がりの乾きにつながります。ぬるめのお湯で、時間をかけてすすぐほうが地肌にはやさしくなります。シャンプー剤やトリートメントが生え際や襟足に残っていると、それ自体がかゆみのきっかけになりますので、すすぎは長めを心がけてください。

乾かし方では、毛先よりも先に地肌を乾かすのがコツです。地肌が湿ったままの時間が長いと、蒸れて不快感が出やすくなります。とはいえドライヤーを近づけすぎると、今度は乾燥が進みます。手のひらで風を受けて熱すぎないと感じる距離を保ち、一か所に当て続けないよう動かしながら乾かしてください。

そのうえで、乾きを感じやすい方は、頭皮用の保湿を取り入れる方法もあります。顔に化粧水を使うのと同じ考え方で、洗って乾かしたあとの地肌にローションをなじませ、指の腹でやさしく広げます。あわせて、夏場の分け目の日焼け、いつも同じ位置に留めるヘアピン、乾いた枕カバーといった、日常のなかで地肌に負担がかかりやすい場面も見直しておくと、掻きたくなる回数そのものが少しずつ減っていきます。

傷やかさぶたのある地肌に、薬剤が触れるとどうなるのか

白髪染め(ヘアカラー)は、髪を明るくする薬剤と色を入れる染料を組み合わせて、髪の内部で色を発色させる仕組みです。塗るのは髪ですが、根元まで染める以上、薬剤は地肌にもある程度触れることになります。

健康な状態の頭皮には角層(皮ふのいちばん外側にある薄い層)があり、外からのものが内側に入り込みにくいように働いています。ところが、傷ができていたり、かさぶたがはがれかけていたりする場所では、この守りが途切れています。同じ薬剤を使っていても、そこだけ沁みる、ヒリヒリと感じる、というように感じ方が変わるのはこのためです。ふだんは何ともない方が「今日はやけに沁みる」と感じるとき、その裏に小さな傷が隠れていることは珍しくありません。

もうひとつ知っておいていただきたいのが、ジアミン(酸化染料の一種で、白髪の色をしっかり出すために多くの製品で使われている成分)との関係です。ジアミンは、体質によってかぶれの原因になることがあります。守りが途切れているところでは成分が皮ふの内側に触れやすくなるため、これまで何ともなかった方でも、そのときの地肌の状態によって感じ方や反応の出方が変わることがあります。

「長年同じ薬剤で染めてきたから」という経験は、判断のうえで心強い材料です。ただ、その経験は「これまで大丈夫だった」という記録であって、これから先も同じであることまでを示すものではありません。体調、季節、地肌の状態によって変わりうるものだと考えておいていただくほうが、結果的に安心して染め続けられます。

なお、沁みると感じたからといって、それがそのまま体質による反応につながるわけではありません。傷のあるところに一時的にしみているだけということもありますし、別の理由が重なっていることもあり、その場で見分けるのは簡単ではありません。だからこそ、感じ方の変化はご自身のなかにしまい込まず、そのつど美容師へ伝えておいていただきたいのです。染めるたびに沁み方が強くなっている、洗い流したあともかゆみが長く続く、といった変化があるようでしたら、次のカラーの前に薬剤の見直しを含めて相談する時期にきていると考えてよいと思います。

日を改めたい状態と、相談しながら決められる状態

では、どのくらいの状態なら染められて、どこからは日を改めたほうがよいのでしょうか。線引きは地肌の状態によって変わるため、ここでお伝えできるのはあくまで目安になりますが、判断のとっかかりとして整理しておきます。

日を改めることを考えていただきたいのは、次のような場合です。掻いた場所がジュクジュクしていたり、透明な汁がにじんでいたりする。広い範囲が赤くなっていて、触れると熱を持っている感じがある。掻き壊しを何度も繰り返していて、かさぶたが頭のあちこちにできている。あるいは、前回のカラーで強く沁みた記憶が残っている。こうしたときは、無理に予定を通すよりも、地肌が落ち着くのを待ってからのほうが、結果として気持ちよく染められます。

一方で、相談しながらその日のうちに進め方を決められることも多くあります。乾いた小さなかさぶたが一、二か所ある程度、ヘアピンが当たってできた点のような傷、生え際が少しかさついている、といった状態です。この場合は、塗り方や薬剤を調整することで対応できることがあります。ご自身で「これは大丈夫」「これはだめ」と決めきらず、判断そのものを一緒に持ってきていただくイメージです。

なお、痛みや赤みが強い、範囲が広がってきている、長く続いていて引く様子がない、といったときは、美容室での判断にとどめず、皮膚科などの医療機関にご相談ください。美容室は医療の場ではないため、地肌そのものに対してできることは限られています。医療機関で診てもらったうえで、カラーを再開する時期を美容師と相談する、という順番がもっとも安心です。

気になる日にとれる、白髪染めの進め方の選択肢

実際に美容室で相談したとき、どのような方法があるのかを知っておくと、伝えるときの気持ちも軽くなると思います。代表的なものをいくつか挙げておきます。

ひとつは、塗る位置を調整する方法です。地肌にぴったりつけるのではなく、ほんのわずか離したところから薬剤を置いていく塗り方があります(ゼロテクニックなどと呼ばれます)。根元ぎりぎりまで染める仕上がりとは少し変わりますが、地肌に直接触れる量を減らすことができます。気になる場所だけを外して塗り、その部分は次回に回すという分け方もあります。

薬剤そのものを見直す方法もあります。ジアミンの配合量を抑えた低ジアミンタイプ、ジアミンを使わないノンジアミンタイプ、あるいは髪の表面に色をのせるヘアマニキュアのように地肌につけずに染める方法など、選択肢はひとつではありません。それぞれ色の出方や色持ちに違いがありますので、仕上がりのご希望と合わせて相談していただくとよいと思います。

塗る前にひと手間を加える方法もあります。生え際や耳のまわりに保護用のクリームをのせておく、地肌の状態に合わせた前処理剤を使うなど、薬剤が直接触れる場面をやわらげる工夫です。仕上がりを大きく変えるものではありませんが、気になる場所が限られているときには組み合わせやすい方法になります。

染める範囲を変えるという考え方もあります。今回は根元のリタッチだけにして全体は次回にする、逆に地肌に近いところは避けて毛先のトーンだけ整える、といった組み立てです。すべてを一度に済ませようとしないほうが、地肌にとってはゆとりが生まれます。

そして、日を改めるという選択も、決してもったいない判断ではありません。数日から一週間ほど間を置くだけで、小さなかさぶたであれば状態が変わっていることがよくあります。その間、根元の白髪が気になるようでしたら、部分用の白髪隠しを使う、分け目の位置を少し変えて目立ちにくくする、といった方法でつないでいくこともできます。予約を取り直すことに気を遣ってくださる方は多いのですが、美容師の側からすると、事情を伝えていただいたうえでの変更はまったく問題のないことです。

地肌が気になる日の白髪染め3つの選択肢|頭皮に傷やかさぶたがある日にとれる白髪染めの3つの選択肢

地肌が落ち着くのを待つのも、髪をきれいに保つ選び方です

白髪染めは、多くの方にとって数週間ごとに続いていくお付き合いです。だからこそ、一回ごとの仕上がりだけでなく、その先も気持ちよく染め続けられるかどうかが大切になります。地肌に気になるところがある日に、いったん立ち止まって進め方を選び直すことは、遠回りのようでいて、長い目で見れば髪をきれいに保つための近道になります。

まずは、分け目・生え際・襟足を指の腹でやさしくたどって、赤みやかさぶたがないかを確かめるところから始めてみてください。そして気になる場所が見つかったら、そのまま美容師へ伝えていただければと思います。三島や沼津のあたりでも、頭皮の状態に不安を抱えたまま何年も同じ染め方を続けてきた、という方は少なくありません。今の地肌に合った染め方は、状態を見ながら一緒に選んでいくことができます。気になる方は、お近くの美容師にご相談ください。

大事なポイント

Q.乾いた小さなかさぶたが一か所だけあります。この程度でも伝えたほうがよいですか?
A.はい、伝えていただくほうが安心です。小さく乾いたものであれば、塗る位置を少し調整するだけで進められることも多いのですが、その判断は実際に地肌を見てからになります。ご自身では小さく見えていても、まわりが赤くなっていることがありますので、遠慮なくお話しください。
Q.気になる場所を避けて塗れば、白髪はきちんと染まりますか?
A.避けた部分は色が入りにくくなるため、仕上がりの見え方は変わります。どのくらい目立つかは、白髪の量やその場所によって差があります。分け目や顔まわりなど目立ちやすいところであれば、避けるのではなく塗り方を変える、日を改めるといった別の方法も含めて相談していただくとよいと思います。
Q.染めている途中で沁みてきたときは、そのまま我慢したほうがよいでしょうか?
A.我慢なさらず、その場でお伝えください。塗ってからの時間や薬剤の種類によって、その時点でできる対応があります。あとから伝えるよりも、感じたときにすぐ声をかけていただくほうが、選べる方法が多く残ります。
Q.ヘアマニキュアは、地肌への触れ方という点で一般的な白髪染めとどう違いますか?
A.ヘアマニキュアは髪の表面に色をのせる染め方で、地肌につかないように塗るのが基本です。そのぶん地肌に薬剤が触れる量は少なくなりますが、根元の生え際まできっちり染めるのは難しく、色の出方や色持ちの感じ方も一般的なヘアカラーとは異なります。仕上がりのご希望と合わせて選んでいただくとよいと思います。
Q.かゆくて掻いてしまうことを繰り返しています。どう考えればよいですか?
A.掻くことが習慣のようになっている場合、地肌の乾燥が背景にあることがあります。シャンプーのときに爪を立てない、洗い上がりに頭皮用の保湿を取り入れるなど、日々のケアの見直しから始めていただくとよいと思います。かゆみが強い状態が続くようでしたら、自己判断で続けず、皮膚科などの医療機関にご相談ください。

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