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髪がまとまらない方へ|ヘアオイル・ミルク・バームの選び方と使い分け

髪がまとまらない方へ|ヘアオイル・ミルク・バームの選び方と使い分けの内容を示すアイソメトリック図解

朝はきれいに整えたつもりでも、出かける頃には毛先がはねている。ドライヤーで乾かしたあとに手ぐしを通すと、表面がざらついて広がって見える——40代を過ぎたあたりから、こうした『まとまらなさ』を感じる方が増えてきます。若い頃は何もつけなくても収まっていたのに、と戸惑われる方も少なくありません。

そこで何かつけてみようと売り場に立つと、今度はヘアオイル、ヘアミルク、ヘアバームと種類が並んでいて、どれが自分の髪に合うのかが分からない。とりあえず人気のものを買ってみたけれど、べたついてしまって使わなくなった。そんなお話もよくうかがいます。この記事では、3つのアイテムがそれぞれ何をするものなのか、どのタイミングで使うと力を発揮するのか、そして悩み別にどう選び分けるとよいのかを、美容師の視点で順に整理してお伝えします。

乾かす前に補い、乾かしたあとに整えると迷いにくい

先に要点をお伝えします。3つのアイテムは、成分の名前ではなく『いつ使うものか』で分けて考えると、選ぶときに迷いにくくなります。大きく分けると、乾かす前の濡れた髪に使って乾燥や熱の負担をやわらげるものと、乾かしたあとの髪に使って形と表面を整えるもの、この2種類です。

前者の代表がヘアミルクで、油分だけでなく水分も含んでいるため、髪の内側にやわらかさを残しやすいのが特徴です。ヘアオイルは両方の場面で使えますが、乾かす前なら熱と乾燥から守る役割、乾かしたあとならツヤと指通りを整える役割と、同じ製品でも働き方が変わります。そしてヘアバームは、基本的に乾いた髪の仕上げに使うものです。毛先の動きをまとめたり、表面の浮き毛を抑えたりする場面で力を発揮します。

まとまらないと感じているとき、多くの方は仕上げのアイテムだけを探しに行かれます。けれど実際には、乾かす前の段階でうるおいが足りていないために、乾いたあとで何をつけても収まらない、という順序であることが少なくありません。まず乾かす前に補う。そのうえで、足りない部分を仕上げで整える。この二段構えにすると、少ない量でも髪が落ち着きやすくなります。

使うタイミングで分ける3つの場面|同じアイテムでも、いつ使うかで役割が変わる

ヘアオイル・ヘアミルク・ヘアバームは何が違うのか

3つの違いは、ひとことで言えば『何がどのくらい入っているか』の差です。難しく考える必要はなく、手に取ったときの質感がそのまま働き方を表しています。

ヘアオイルは、その名のとおり油分が中心のアイテムです。髪の表面に薄い膜をつくり、外側からの乾燥や摩擦をやわらげながら、光を反射してツヤを見せてくれます。指通りがよくなるので、絡まりやすい方には心強い味方です。一方で油分が主体である以上、量が多いと重さが出ます。髪が細い方やトップのボリュームが気になる方が根元近くまでつけてしまうと、ぺたんとした印象になりやすいので、つける位置には少し気を配りたいアイテムです。

ヘアミルクは、水分と油分を混ぜ合わせた乳液状のアイテムです。オイルに比べてさらっとしていて、髪になじませたときに内側までやわらかく感じられるのが特徴です。乾燥してごわつきを感じる髪、カラーを繰り返して水分が抜けやすくなっている髪との相性がよく、乾かす前の土台づくりに向いています。仕上がりの重さも出にくいので、細い髪の方にも扱いやすいと思います。

ヘアバームは、油分やワックス分が固形に近い状態でまとまっているアイテムです。手のひらの体温で溶かしてから使うのが前提で、伸ばすと透明感のあるやわらかいテクスチャーに変わります。毛先に動きをつけたり、束感を出したり、表面から飛び出した短い毛を抑えたりと、形を作る場面で使うものです。うるおいを補うというより、整えた形をその日のあいだ保つためのアイテムだと考えていただくとよいでしょう。

なお最近は、洗い流さないトリートメントとして売られているオイルやミルクと、スタイリング剤として売られているオイルやバームが、見た目のよく似た容器で並んでいることがあります。迷ったときは、パッケージの裏側に書かれている使うタイミングの表示を確認してみてください。『タオルドライ後に』と書かれていれば前者、『仕上げに』と書かれていれば後者です。

40〜60代の髪がまとまりにくくなる背景

そもそも、なぜ以前よりまとまりにくくなるのでしょうか。ここを知っておくと、アイテム選びの精度が変わってきます。

ひとつは、髪一本一本が以前より細くなりやすいことです。細い髪は形を保つ力が弱く、湿気を含んだときに曲がりやすくなります。同じ本数でも表面が揃わず、ぼんやり広がって見えるのはこのためです。そして細い髪ほど、つけたものの重さの影響を受けやすくなります。以前と同じ量のオイルをつけているのにぺたんとしてしまう、という変化は、髪が細くなってきたサインであることが少なくありません。

もうひとつは、髪の内側の水分が保ちにくくなることです。年齢による変化に加えて、白髪染めを定期的に続けていれば、そのぶん髪の内部は動きを受けています。水分が抜けやすい状態になると、乾かしたそばから空気中の湿気を吸ったり手放したりしやすくなり、日によって、時間帯によって、まとまり方が変わるという不安定さにつながります。朝は落ち着いていたのに昼過ぎに広がってくる、という現象の背景には、この水分の出入りがあります。

さらに、うねりの出方が変わることも見逃せません。もともと直毛だった方に、根元付近だけゆるいうねりが出てくることがあります。すると髪が同じ方向に流れず、表面がざらついて見えます。この状態で仕上げのアイテムだけを重ねても、うねりそのものは変わらないため、ツヤは出ても収まりは変わらないということが起こります。乾かす段階で流れを整えておくことが、実はいちばん効きます。

悩み別に選び分ける|パサつき・広がり・毛先のはね・浮き毛

ここからは、具体的な悩みごとの選び分けを整理します。ご自身に近いものから読んでいただければと思います。

触るとザラつく、指が引っかかる(パサつき)。この場合は、仕上げより先に乾かす前の一手を足してください。タオルドライのあとにヘアミルクを毛先から中間になじませ、それから乾かします。乾いたあとにまだ物足りなければ、オイルをごく少量、毛先だけに足します。順番を逆にして乾いた髪にオイルを重ねても、表面は光りますが内側の乾燥はそのままなので、翌日にはまた同じ状態に戻りやすくなります。

湿気の日にふくらむ、全体が大きく見える(広がり)。広がりは、髪が空気中の水分を吸って膨らむことで起こります。乾かす前にオイルまたはミルクをなじませて水分の出入りをゆるやかにしておくこと、そして乾かすときに根元から毛先の方向へ風を当てて表面を整えておくことが土台になります。仕上げにはバームをごく少量、手のひらで完全に溶かしてから表面を撫でるようにつけると、広がりを抑えながら不自然なぺたんこ感も避けられます。

毛先だけが外にはねる、方向が揃わない。これは髪のクセと長さのバランスで起きていることが多く、つけるものより乾かし方で変わる部分が大きい悩みです。そのうえで整えるなら、バームが向いています。米粒ほどを手のひらでよく溶かし、はねている毛先だけをつまむようにしてなじませます。全体につける必要はありません。

表面に短い毛が飛び出す(浮き毛・アホ毛)。バームをごくわずかに取り、手のひら全体に伸ばしきってから、髪の表面を上から下へ撫でます。直接つけるのではなく、手に残ったぶんで撫でるのがコツです。多くつけると今度は束になって目立つので、少なすぎるかなと思うくらいが丁度よいと思います。

トップがぺたんこになる。この悩みがある方は、まず根元まわりに何もつけないことを徹底してみてください。オイルもミルクも、耳から下の位置から下だけに使う。それだけで印象が変わることがあります。仕上げのアイテムも、軽さを重視して選ぶほうが向いています。

つける量と位置で、仕上がりはここまで変わる

同じアイテムを使っていても、量とつける位置で結果が変わります。ここは今日から変えられる部分なので、ぜひ試してみてください。

量の目安は、髪の長さと量によって違いますが、ミルクならセミロングで500円玉ほど、オイルなら1〜2プッシュ、バームなら米粒からあずき粒ほどが出発点になります。大切なのは、この目安から始めて足りなければ足す、という進め方です。多めにつけてしまったぶんは、その日のうちには取り戻せません。少なすぎると感じたら、ほんの少し足せばよいだけです。

つける位置は、毛先から中間、そして最後に手のひらに残ったぶんで表面、という順番が基本です。人はどうしても目につく表面から手をつけたくなりますが、いちばん乾燥しているのは毛先です。毛先から順につけていけば、必要な場所に必要な量が行き渡り、表面には自然と薄くつきます。根元と頭皮には基本的につけません。頭皮には自前の皮脂がありますし、そこに油分が加わるとべたつきや重さの原因になります。

伸ばし方にもコツがあります。手のひらに出したあと、両手をこすり合わせて指のあいだまでしっかり広げてください。ここが不十分だと、最初に触れた場所だけに固まってつき、そこがべたついて見えます。特にバームは、手のひらで完全に透明になるまで溶かしてから使うのが前提です。

そして意外と大きいのが、髪の乾き具合です。乾かす前に使うアイテムは、髪がびしょ濡れの状態だと水と一緒に流れてしまい、逆にほとんど乾いた状態だと表面にとどまってムラになります。タオルで水気を取って、触ると湿っているけれど滴らない、くらいの状態がいちばんなじみます。

続けても変わらないと感じたときは

ここまでのことを試しても手ざわりが変わらない、あるいはアイテムを変えるほど分からなくなってきた、という場合は、髪の状態そのものを一度見てもらうことをおすすめします。同じ『まとまらない』でも、乾燥から来ているのか、髪の細さから来ているのか、カラーの履歴が関わっているのか、あるいは切り方でそう見えているのかによって、必要な手が変わるためです。

相談されるときは、今お使いのアイテムを持参するか、容器を写真に撮って見せていただけると話が早くなります。品名が分かれば質感の傾向が分かりますし、髪の量と太さに対して重すぎないか、使う順番が合っているかまで具体的に見られます。三島市や近隣にお住まいで、白髪染めを続けながらまとまりも保ちたいという方は、カラーの周期と合わせてホームケアを組み立てると無理がありません。

悩み別の選び分け早見|気になっている状態から、足すものを決める

今の髪に合う一本から、無理なく始める

まとまらない髪をなんとかしたいとき、多くの方は新しいアイテムを買い足すところから始めます。けれど今日お伝えしてきたとおり、鍵になるのはアイテムの数ではなく、乾かす前に補って、乾かしたあとに整えるという順番と、必要な場所に必要な量だけを届ける使い方です。手持ちのものでも、つける位置と量を変えるだけで印象が変わることは珍しくありません。

まずは今ある一本を、毛先から順に、いつもの半分の量でつけるところから試してみてください。それで足りるようなら、これまでは量が多すぎたということが分かります。足りなければ少し足す。その繰り返しで、ご自身の髪の適量が見えてきます。そのうえで、どうしても手ざわりや収まりが変わらないと感じるときは、髪の状態を見てもらいながら選び直すのが近道です。気になる方は、まずはLINEでお気軽にご相談ください。

大事なポイント

Q.ヘアオイルとヘアミルクは、両方を使ってもよいのでしょうか?
A.両方を使っていただいて問題ありません。むしろ、乾かす前にミルクでうるおいを補い、乾かしたあとにオイルをごく少量なじませる、という組み合わせは相性がよい使い方のひとつです。ただし合計の量が増えるとべたつきやすくなるので、二つ使うときはそれぞれを普段より少なめにするのがコツです。髪の量や太さによって適量は変わりますので、迷うときは今お使いのものを持って相談していただくと調整しやすくなります。
Q.つけるとすぐべたついてしまいます。量の目安はありますか?
A.べたつきの原因は量そのものより、つける位置と伸ばし方にあることが多いです。手のひら全体に薄く広げてから、毛先、中間、最後に表面という順番でつけると、同じ量でも重さが出にくくなります。根元や頭皮につけないことも大切です。それでも重く感じる場合は、思い切って半量にしてみてください。足りなければ足せますが、つけすぎたぶんはその日のうちには戻せません。
Q.ヘアバームは髪にも使えると聞きましたが、シャンプーで落ちますか?
A.多くのヘアバームは通常のシャンプーで落とせるように作られていますが、油分やワックス分の量は製品によって差があります。落ちにくさを感じるときは、シャンプー前に少しぬるま湯で予洗いをする、あるいは一度目を軽く洗ってから二度目でしっかり洗う、といった方法で残りにくくなります。毎日使う場合は、洗い上がりの手触りが重くないかを目安に見ていただくとよいと思います。
Q.白髪染めをしている髪に、オイルやバームを使っても大丈夫ですか?
A.使っていただいて構いません。染めた髪は水分が抜けやすくなっていることが多いので、乾燥を補う目的ではむしろ役に立ちます。気をつけたいのは、染めた当日に髪をこすりながら塗り込むことくらいです。色が落ち着くまでは、手のひらで包むようにやさしくなじませてください。色持ちが気になる方は、施術のときに使っているアイテムを伝えていただくと、合わせ方を一緒に考えられます。
Q.洗い流さないトリートメントとスタイリング剤は、何が違うのでしょうか?
A.役割が違います。洗い流さないトリートメントは、乾かす前の髪にうるおいや油分を補って、乾燥や熱の負担をやわらげるためのものです。スタイリング剤は、乾かしたあとの髪の形や表面を整えて、その状態を保つためのものです。似た見た目の容器でも目的が違うので、ラベルの使うタイミングの表示を確認していただくと選びやすくなります。

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