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白髪染めの髪とヘアアイロン|温度の目安と傷みを抑える使い方

白髪染めの髪とヘアアイロン|温度の目安と傷みを抑える使い方の内容を示すアイソメトリック図解

「朝、毛先がはねているのをヘアアイロンで直してから出かける」「うねりが気になるところだけ、コテで軽く伸ばしている」。40〜60代の方からも、こうしたお話をよくうかがいます。年齢とともに髪のうねりや広がりが出てくると、アイロンは身だしなみを整えるための心強い道具になります。

その一方で、「毎日使っていると傷むのではないか」「パサつきが増えた気がするけれど、アイロンのせいだろうか」という心配の声も少なくありません。この記事では、ヘアアイロンやコテの熱が髪にどう関わるのか、そして温度の目安や通し方をどう見直せば負担を抱え込みにくくなるのかを、美容師の視点で整理します。使うのをやめましょう、という話ではありません。使いながら上手に付き合うための工夫をお伝えします。

温度を上げすぎず、乾いた髪に手早く通す

先に要点をお伝えします。ヘアアイロンで髪への負担を抱え込みにくくするために大切なのは、大きく2つです。ひとつは温度を上げすぎないこと、もうひとつは完全に乾いた髪に、短い時間で通すことです。

温度は高いほど早く形がつくため、つい高めに設定しがちです。けれども髪は熱の影響を受けやすく、必要以上の高温は手触りやつやの変化として後から表れてきます。毎日お使いになるのであれば150度前後を目安にし、そこから上げすぎないところを出発点にしてみてください。

もうひとつの「乾いた髪に通す」は、見落とされやすいポイントです。髪が湿ったままアイロンをあてると、内部に残った水分が急激に熱せられ、髪にとって負担の大きい状態になります。ジュッと音がするようなら、まだ乾ききっていないサインです。乾かし方を整えておくことは、アイロンの温度を下げても形がつきやすくなることにもつながります。

アイロンを使う前の3ステップ|ヘアアイロンを通す前に整えておきたい準備の流れ

髪が熱でどう変わるのか

なぜ温度を上げすぎないほうがよいのか、髪の側で起きていることを知っておくと、加減がつかみやすくなります。

髪はケラチンというタンパク質を主な材料としてできています。タンパク質は熱に弱い性質があり、卵を焼くと透明だった白身が固まって元に戻らなくなるのと同じように、髪も高い熱を受けると形が変わったまま戻りにくくなります。アイロンでまっすぐな形がつくのは、この性質を利用しているためです。つまり「形がつく」ことと「熱の影響を受ける」ことは、もともと地続きの関係にあります。

だからこそ、必要な分だけの熱で足りるようにするのが現実的な考え方になります。髪の内部には水分も含まれていて、熱があたるとその水分は蒸発していきます。適度であれば問題になりませんが、高温を長くあて続けると内部が乾いた状態に傾き、手触りがごわついたり、つやが出にくくなったりします。パサつきが気になってさらにアイロンで整えようとすると、負担が重なってしまうこともあります。

もうひとつ知っておきたいのが、髪の状態によって熱の受け止め方が変わることです。白髪染めやカラーを繰り返してきた髪、パーマや縮毛矯正の履歴がある髪は、表面のキューティクルが開きやすく、内部のうるおいも逃げやすい状態になっていることがあります。同じ温度でも、傷んでいる毛先ほど影響を感じやすいのはこのためです。以前と同じ設定で使っているのに手触りが変わってきたと感じるときは、髪の側が変化しているサインかもしれません。

温度と時間の考え方

では、具体的にどのくらいの温度で、どのくらいの時間をかければよいのでしょうか。ここは髪質によって幅がありますが、考え方の軸をお伝えします。

まず温度です。市販のヘアアイロンは180度から200度まで設定できるものが多く、表示の上限に近い温度を選んでいる方も見かけます。しかし高温は、形がつきやすい代わりに影響も大きくなります。毎日使う前提であれば150度前後から試し、それで形がつきにくい場合に少しずつ上げていく、という順番がおすすめです。細くてやわらかい髪、白髪染めを長く続けてきてハリが変わってきた髪は、130〜140度あたりから始めても十分なことがあります。

次に時間です。一度で決めきれずに同じ場所を何度も往復させると、結果として長く熱をあてたことになります。目安としては、一つの毛束に対して通すのは1〜2回まで。ゆっくり通すのが不安であれば、少し温度を上げるよりも、毛束を薄く取ることを先に試してみてください。厚い束を一度に挟むと中まで熱が届かず、何度も往復する原因になります。薄く取れば低い温度でも形がつきやすく、往復の回数も減らせます。

コテで巻く場合も考え方は同じです。長く巻きつけたままにするより、短時間で外して形が落ち着くのを待つほうが、髪に残る熱の量を抑えやすくなります。カールがすぐ落ちてしまうときは、温度を上げるより、巻いた直後に手のひらで受けて冷ますひと手間を加えると持ちが変わります。髪は冷める過程で形が決まるため、熱いうちに引っ張ったりとかしたりしないことも大切なポイントです。

見落とされやすいのが、アイロン本体の状態です。長く使っているうちにプレートの表面が傷ついたり、スタイリング剤の残りが固まってざらついたりすると、髪がなめらかに通らず引っかかりやすくなります。同じ温度でも、滑りが悪いアイロンは通すときの摩擦が大きくなり、髪の表面に負担がかかります。使い終わったら熱が完全に冷めてから、乾いた布で表面をやさしく拭いておくと状態を保ちやすくなります。何年も使っていて滑りの悪さを感じる場合は、温度設定の正確さも落ちていることがあるため、買い替えを検討する目安にもなります。

白髪染めの色との付き合い方

白髪染めをしている方にとっては、傷みだけでなく色の変化も気になるところだと思います。熱と色は、思っている以上に近い関係にあります。

白髪染めで入れた色は、髪の内部にとどまることで発色しています。高温を繰り返しあてると、キューティクルが開いて色素が外へ出やすくなったり、色そのものが変化したりすることがあります。「染めてまだ日が浅いのに明るくなってきた」「毛先だけ赤茶けて見える」といったお悩みの背景に、毎日のアイロンが関わっていることは少なくありません。特に毛先は過去の履歴が積み重なっている部分なので、色が抜けやすい傾向があります。

染めた直後の数日は、色が髪に定着していく途中の時期です。この期間だけでも温度を控えめにしておくと、色持ちの面では安心につながります。どうしても整えたい日は、全体にあてるのではなく、はねが気になる部分だけに絞るという方法もあります。毎日全体にあてる習慣を、「気になるところだけ」に変えるだけでも、髪が受ける熱の総量はかなり変わってきます。

白髪は色素が少ない状態のため、色が抜けてくると明るさが目立ちやすいという特徴もあります。退色の仕方が気になる方は、次に染めるときに「どのくらいで色が変わってくるか」「どんな抜け方をするか」を美容師に伝えてみてください。ふだんアイロンを使っているかどうかも、あわせてお話しいただけると、色味の設計や薬剤の選び方を考える材料になります。

使う前と後にできるひと手間

アイロンそのものの使い方に加えて、その前後のケアを整えておくと、髪の状態は扱いやすくなります。特別なものをそろえなくても始められることを挙げてみます。

まず、アイロンを使う前に髪を完全に乾かします。半乾きのまま使うのは避けたいところです。乾かすときは、根元から風をあてて頭皮側を先に乾かし、毛先は最後に軽く整える順番にすると、乾きすぎを防ぎやすくなります。全体が乾いたら、洗い流さないトリートメントを毛先から中間になじませます。熱から髪を守る目的で使うものは、熱に対応した表示があるタイプを選ぶと使いやすいでしょう。根元近くまでたっぷりつけるとべたつきやすいので、量は少なめから試してみてください。

通す前に、髪の絡まりをほどいておくことも大切です。もつれたままアイロンを挟むと、引っかかったところで無理に引っ張ることになり、熱よりもその摩擦のほうが負担になることがあります。目の粗いブラシやコームで、毛先から少しずつほぐしてから始めてみてください。あわせて、髪を上下に分けて留めておくと、一度に取る毛束を薄くしやすく、通す回数も自然と減らせます。手間が増えるように見えますが、結果的に朝の時間は短くなることが多いものです。

アイロンを通したあとは、髪が冷めるまで触らずに待ちます。冷める前にブラシを入れたり結んだりすると、せっかく整えた形が崩れるだけでなく、やわらかくなっている髪に力がかかってしまいます。仕上げにつやを足したいときは、冷めてから少量のオイルを毛先に薄くなじませる程度で十分です。

夜のケアも、翌朝のアイロンの量を減らすことにつながります。乾かすときに根元を起こしておく、毛先を引っ張りすぎずに形を落ち着かせておくといった工夫で、朝の直す範囲が小さくなります。週に1〜2回、集中ケア用のトリートメントでうるおいを補うのもおすすめです。うるおいのある髪は形が決まりやすく、結果として低い温度で足りることが増えていきます。無理にすべてを取り入れる必要はないので、続けられそうなものから始めてみてください。

美容室で相談するときに伝えたいこと

毎朝のアイロンが手放せない、あるいは使い方を見直してもパサつきが気になり続ける——そんなときは、美容室で相談してみるのもひとつの方法です。髪に直接触れながら状態を見ることで、ご自身では気づきにくい変化がわかることがあります。

相談するときは、次のようなことを伝えていただけると話が進みやすくなります。

  • 使っている温度と頻度:何度に設定して、週に何回くらい使っているかで、負担のかかり方の見当がつきます。

  • どこにあてているか:全体か、前髪や顔まわりだけかによって、傷みやすい部分が変わります。

  • なぜアイロンが必要なのか:うねりを伸ばしたいのか、はねを直したいのか、ボリュームを整えたいのかで、提案できる方向が変わります。

  • 白髪染めの周期と色の変化:色が抜けるタイミングと熱の関係を踏まえて、色味を考えることができます。

くせやうねりで毎朝の手間が大きい場合は、カットの形で扱いやすくする、くせの出方に合わせた施術を検討するなど、アイロンに頼る量そのものを減らす方向で相談できることもあります。どの方法にも向き不向きがあり、髪の状態によって選べるものが変わるので、いまの髪を見てもらいながら一緒に考えていくのが安心です。

美容室を選ぶときは、商品や施術をすすめられるだけでなく、ふだんの扱い方まで含めて一緒に考えてくれるかどうかを目安にすると、長く付き合いやすくなります。個室でゆっくり話せる環境であれば、髪の悩みも落ち着いて相談しやすいでしょう。

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明日の朝から変えられること

ヘアアイロンやコテは、髪を整えるための便利な道具です。避けなければいけないものではなく、熱との付き合い方を知っておくことで、扱いやすさを保ちながら使い続けやすくなります。

見直せるところは、そう多くありません。温度を上げすぎないこと、完全に乾いた髪に通すこと、同じ場所を何度も往復させないこと、毛束を薄く取ること。この4つを意識するだけで、1回あたりに髪が受ける熱の量は変わってきます。白髪染めをしている方は、染めた直後の数日だけでも温度を控えめにしておくと、色持ちの面でも違いを感じやすくなります。

髪の状態は年齢や履歴とともに少しずつ変わっていきます。以前と同じ設定で使っているのに手触りが変わってきたと感じたら、それは見直しのサインかもしれません。毎朝の手間が大きいと感じるときや、ケアを続けても乾燥やパサつきが気になるときは、ふだんの使い方と髪の悩みを美容師に伝えながらご相談ください。

大事なポイント

Q.ヘアアイロンの温度は何度くらいを目安にすればよいですか?
A.髪の太さやくせの強さで変わりますが、毎日お使いになる場合は150度前後を目安にし、そこから上げすぎないようにすると負担を抱え込みにくくなります。細い髪や、白髪染めを繰り返してやわらかくなってきた髪はもう少し低めから試すと安心です。温度を下げると形がつきにくいと感じる場合は、髪をしっかり乾かしてから、少ない量ずつ通すほうが結果的に低い温度で足りることが多いです。
Q.毎日ヘアアイロンを使っても差し支えありませんか?
A.使ってはいけないというものではありませんが、熱の影響は少しずつ積み重なっていきます。毎日使う方ほど、温度を低めにする、同じ場所を何度も往復させない、乾かす前後のケアを合わせるなど、1回あたりの負担を軽くする工夫が大切になります。休日など予定のない日はアイロンを使わずに過ごす日をつくると、髪を休ませる時間になります。
Q.白髪染めをしている髪にアイロンを使うと、色落ちしやすくなりますか?
A.熱は色が抜ける要因のひとつなので、高温を長くあて続けると退色を感じやすくなることがあります。特に染めた直後の数日は色が定着していく途中なので、温度を控えめにしておくと色持ちの面では安心です。色の抜け方が気になる場合は、次に染めるときに退色の傾向を美容師へ伝えていただくと、色味の設計から相談できます。
Q.洗い流さないトリートメントは、アイロンの前と後のどちらでつけるとよいですか?
A.熱から髪を守る目的であれば、アイロンを通す前につけて、しっかり乾いた状態にしてから使うのが基本です。仕上げのつや出しやまとまりを整えたい場合は、アイロンのあとに少量を毛先中心になじませます。前につけるものは、熱に対応した表示があるタイプを選ぶと使いやすいでしょう。
Q.くせが強く、毎朝アイロンが欠かせません。負担を減らす方法はありますか?
A.夜のうちに髪の乾かし方を整えておくと、朝にアイロンで直す量そのものを減らしやすくなります。根元を起こしながら乾かし、毛先は引っ張りすぎずに形を落ち着かせておくのがポイントです。それでも毎朝の手間が大きい場合は、くせの出方に合わせた施術やカットの相談という選択肢もあるので、気になる方は美容師にご相談ください。

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