kami & kenko 髪と健康

40〜60代のドライヤー選び方|乾きにくい・パサつく髪の見直し方

40〜60代のドライヤー選び方|乾きにくい・パサつく髪の見直し方の内容を示すアイソメトリック図解

髪を乾かすのに、以前より時間がかかるようになった。そう感じている方は少なくありません。髪の量が急に増えたわけでもないのに、なぜか乾きにくい。ようやく乾いたと思ったら、毛先がパサついて広がっている。40代から60代にかけて、こうした乾かすときの違和感を口にされる方が増えてきます。

原因を髪そのものに求めたくなりますが、毎日使っているドライヤーが今の髪の状態に合っていない、ということも少なくありません。ドライヤーは一度買うと何年も使い続ける道具です。だからこそ、買い替えを考えるタイミングで何を見ればよいのかを知っておくと、毎日のケアがずいぶん楽になります。ここでは、40〜60代の髪の変化を前提に、選ぶときに確かめたいポイントを順番に整理していきます。

迷ったら、風量の大きさと温度の低さから見る

売り場に並ぶドライヤーには、たくさんの言葉が書かれています。速乾、大風量、遠赤外線、マイナスイオン、ケアモード。どれも魅力的に見えますが、最初に見ていただきたいのは、実はとてもシンプルな二つです。風がしっかり出るかどうかと、熱くなりすぎない温度を選べるかどうか。この二つが揃っていれば、多くの方にとって扱いやすい一台になります。

なぜこの順番なのかというと、髪と頭皮にとっていちばん負担になりやすいのが「熱があたり続ける時間」だからです。風量が大きいと、同じ髪の量でも乾かし終わるまでの時間が短くなります。つまり風量は、単に早く終わって楽だというだけでなく、熱にさらされる時間そのものを減らしてくれるものでもあります。

そのうえで、温風の温度が高すぎない設定を選べるか、あるいは低温で使えるモードがあるかを確認します。高温で一気に乾かすほうが早い気がしますが、髪の水分は必要以上に飛びやすくなり、乾かし終わったあとの手触りに差が出てきます。強い風で短時間、そして熱は控えめに。この組み合わせが、40代以降の変化してきた髪には合いやすいと感じています。

ドライヤーを選ぶときに確かめる順番|髪を乾かす道具を買い替えるとき、売り場で確かめたい順番を整理します

乾かす時間が長くなるほど、髪と頭皮の負担は積み重なる

40代を過ぎたころから、髪の一本一本が細くなってきたり、うねりが出てきたりという変化を感じる方が増えます。同時に、髪の表面がダメージを受けやすく、水分を保ちにくくなってくることもあります。こうした髪は、乾かし方の影響を以前より受けやすくなっています。

濡れている髪は、乾いているときよりも摩擦に弱い状態です。表面のうろこ状の部分が開いた状態になっているため、その状態で長時間タオルでこすったり、ブラシを強く通したりすると、手触りが変わってしまうことがあります。だからといって、濡れたまま自然乾燥にまかせるのも避けたいところです。頭皮が湿った状態が長く続くと、においやべたつきの原因になることもあります。

つまり、濡れたまま置く時間も、熱をあて続ける時間も、どちらも短いほうが望ましいということになります。この二つを同時に満たすには、風の力で水分を飛ばす割合を増やすしかありません。ドライヤー選びで風量を重視するのは、こうした理由からです。

もうひとつ見落とされがちなのが、頭皮への影響です。髪の毛先ばかりに気を取られていると、地肌に近い部分に長く熱があたっていることに気づきにくくなります。頭皮は顔の皮膚と一枚でつながっていますから、乾燥やほてりを感じたときは、髪と同じように気をつけたい場所です。乾かす時間が短くなれば、頭皮が熱を受ける時間も自然と短くなります。

あわせて見直したいのが、ドライヤーを持つ前の段階です。お風呂から上がったあと、タオルで水分をどれだけ吸い取れているかによって、乾かし始めてからの時間はずいぶん変わります。ごしごしとこするのではなく、タオルで髪をはさんで押さえるようにすると、摩擦を抑えながら水分を移すことができます。根元や襟足は水が残りやすいところなので、地肌をタオルで軽く押さえておくと、そのあとが楽になります。道具を選ぶ話の前に、この習慣だけで乾かす時間が短くなる方もいらっしゃいます。

風量と温度は、セットで考えると選びやすい

風量は「立方メートル毎分」という単位で表示されていることが多く、数字が大きいほど一分間に送り出す風の量が多いことを示します。ただ、この数字だけを見比べても、実際の使い心地はわかりにくいものです。売り場で試せる場合は、手のひらに風をあてて、押し返されるような感覚があるかを確かめてみてください。

温度については、高温・中温・低温、あるいは「スカルプモード」「ケアモード」といった名前で低めの温度が用意されていることがあります。名前は製品によってさまざまですが、確かめたいのは「熱すぎない選択肢があるかどうか」の一点です。すべての設定が高温しかないものより、状況に応じて下げられるほうが使い分けの幅が広がります。

このとき大切なのは、風量と温度をばらばらに考えないことです。温度を下げれば負担は減りますが、風量が足りなければ乾かし終わるまでの時間が延びてしまい、結局は髪が濡れた状態で長く扱われることになります。逆に風量だけあっても、常に高温しか出ないのであれば、短時間でも熱の集中は避けられません。低めの温度でも短時間で乾かし切れる——この組み合わせが成り立つかどうかで判断していただくとよいと思います。

冷風のスイッチがあるかどうかも、あわせて確認しておきたい点です。八割ほど乾いたところで冷風に切り替えると、髪の表面が落ち着いて手触りが変わりやすくなります。頭皮がほてったと感じたときのクールダウンにも使えますので、あると使い道の多い機能です。

先端に取りつけるノズルが付属しているかどうかも見ておくとよいでしょう。ノズルを付けると風が細く集まるため、前髪の流れを整えたり、毛先の向きをつくったりといった仕上げがしやすくなります。一方で、全体を手早く乾かす場面ではノズルを外したほうが広い範囲に風があたります。付け外しができるものであれば、乾かす段階と整える段階で使い分けができ、一台で二通りの使い方ができることになります。

重さと持ちやすさが、毎日続けられるかを決める

性能の話をしてきましたが、実際に毎日使い続けられるかどうかを大きく左右するのは、持ったときの感覚です。ここは数字ではわかりにくく、けれども毎日のことなので影響が大きい部分です。

髪が肩より長い方の場合、乾かし終わるまでに腕を上げている時間はそれなりに長くなります。本体が重いと、途中で腕が疲れて、根元まで丁寧に乾かす前に切り上げてしまいがちです。根元が湿ったまま残ると、翌朝の分け目のつぶれやすさや、頭皮のべたつきにつながることもあります。せっかくよい性能のものを選んでも、最後まで使いきれないのはもったいないことです。

重さそのものだけでなく、どこに重心があるかも使い心地に関わります。同じ重さでも、手元に近いところに重さが集まっているものは、持ち上げたときに軽く感じられます。売り場で実際に持ち上げて、腕を上げる姿勢をとってみると違いがわかりやすいでしょう。

グリップの太さや、スイッチの位置も見ておきたいところです。使っている途中で温度や風量を切り替えることを考えると、持ち替えずに指が届く位置にスイッチがあるほうが扱いやすくなります。手の大きさや握力には個人差がありますから、口コミの評価より、ご自身の手で確かめたほうが確実です。

音の大きさも、続けやすさに関わる要素のひとつです。早朝や夜遅くに使うことが多い方、ご家族が休んでいる時間帯に乾かす方にとっては、音が控えめであることが毎日のストレスを減らしてくれます。

見落とされやすいのが、コードの長さと収納のしやすさです。洗面所のコンセントの位置によっては、コードが短いと立つ場所が限られ、腕を無理な角度に上げたまま乾かすことになります。反対に、使い終わったあとに毎回しまう場所が決まっていないと、出すのがおっくうになってしまうこともあります。折りたためる形のものは収納しやすい一方で、持ったときのバランスは折りたためないものと変わることがありますから、置き場所と持ち心地のどちらを優先するかを考えて選んでいただくとよいと思います。

付加機能は「あると心強い」くらいの位置づけで

マイナスイオン、遠赤外線、高浸透ナノイオンなど、製品にはさまざまな付加機能がうたわれています。こうした機能を否定するつもりはありませんが、選ぶ順番としては、風量・温度・重さを確かめたあとに見ていただくのがよいと思います。基本の部分が合っていないと、付加機能があっても扱いにくさは解消しにくいためです。

機能の多さより見ておきたいのが、お手入れのしやすさです。ドライヤーは後ろの吸い込み口から空気を取り込んでいるため、ここにほこりがたまると風の勢いが落ちてきます。フィルターが工具なしで外せるか、目に見える位置にあるかを確認しておくと、買ったあとも風量を保ちやすくなります。どれだけ性能の高いものを選んでも、吸い込み口がふさがっていては本来の風が出ません。長く使う道具だからこそ、掃除のしやすさは地味ながら効いてくる部分です。

付加機能の効果の感じ方には個人差があります。同じものを使っても、髪の太さや量、傷みの程度、そもそもの乾かし方の癖によって、手触りの変化を実感しやすい方とそうでない方がいらっしゃいます。ですから「この機能があれば髪の悩みが解決する」という期待の持ち方よりも、「基本性能が合っているものに、さらに心地よさが加わる」という受け止め方のほうが、選んだあとの満足につながりやすいと感じています。

予算については、上を見ればきりがありません。ただ、風量がしっかりあって温度を下げられるものは、必ずしも最上位の価格帯だけにあるわけではありません。ご自身が譲れない条件を二つか三つに絞っておくと、売り場で迷いにくくなります。たとえば「風量は大きいもの」「低めの温度が選べるもの」「腕が疲れない重さ」と決めておけば、それ以外の違いは好みの範囲として整理できます。

髪を乾かすときの温風と冷風の使い分け|髪を乾かす順番と、温風から冷風へ切り替えるタイミングを整理します

今使っているドライヤーを見直すところから始める

新しいものを買うかどうかを決める前に、今お使いのドライヤーの状態を確かめてみてください。吸い込み口のフィルターにほこりがたまっていると、風量が落ちて乾きにくくなっていることがあります。この部分を掃除するだけで、風の出方が変わることも珍しくありません。以前より乾くのに時間がかかる、本体が熱くなりやすい、音が大きくなったといった変化が出ているようであれば、買い替えを考えるひとつの目安になります。

そのうえで新しい一台を選ぶときは、風量、温度、重さ。この三つを順番に確かめてみてください。カタログの言葉に迷ったときも、この順番に立ち返れば整理しやすくなります。そして選んだあとは、根元から乾かして仕上げに冷風、という基本の流れを続けていただくと、道具の力を引き出しやすくなります。

髪の変化はゆっくり進むので、ご自身では気づきにくいものです。乾かしにくさやパサつきが気になるとき、それが髪の状態によるものなのか、道具や乾かし方によるものなのかは、実際に髪を見せていただくと判断しやすくなります。今の髪に何が合うか迷われたときは、担当の美容師にお気軽にご相談ください。

大事なポイント

Q.ドライヤーは風量と温度、どちらを優先して選べばよいですか?
A.迷われたときは風量を先に見ていただくことをおすすめしています。風量が大きいと、同じ髪の量でも乾かし終わるまでの時間が短くなり、髪と頭皮が熱にさらされる時間そのものを減らしやすくなるためです。そのうえで、熱くなりすぎない温度設定が選べるかを確認していただくと、負担を抑えやすい組み合わせになります。
Q.高価なドライヤーのほうが髪はきれいになりますか?
A.価格と仕上がりが必ず比例するわけではありません。値段の差は風量や機能、素材や設計などさまざまな要素で決まります。ご自身の髪の量や長さ、腕の疲れにくさに合っているかどうかのほうが、毎日の仕上がりには影響しやすいと感じています。売り場で実際に持ってみて、無理なく続けられそうかを確かめてみてください。
Q.何年くらいで買い替えを考えたらよいですか?
A.年数で一律に決めるより、使っているときの変化を目安にしていただくとよいと思います。以前より乾くのに時間がかかる、風が弱くなった気がする、本体が熱くなりやすい、音が大きくなった——こうした変化が出てきたら、風量が落ちてきているサインのことがあります。乾かす時間が延びると髪の負担も増えるため、見直しどきと考えてよいでしょう。
Q.冷風はどんなときに使えばよいですか?
A.全体が八割ほど乾いてから、仕上げに使っていただくのが基本です。温風で形を整えたあとに冷風をあてると、髪の表面が落ち着いて手触りが変わりやすくなります。頭皮が熱くほてったと感じるときにも、冷風でクールダウンしてから終えると心地よく仕上がります。
Q.低温でゆっくり乾かすほうが髪にはやさしいですか?
A.温度が低いこと自体は負担を抑えやすい方向ですが、その分乾かす時間が長くなると、髪が濡れたままの状態が続くことになります。濡れた髪は摩擦に弱いため、長く放置するのも避けたいところです。熱を集中させすぎず、それでいて短時間で乾かし終える——この両立を風量で補うと考えていただくと選びやすくなります。

関連記事

白髪用カラートリートメントの選び方|市販品で色と負担を見分けるコツの内容を示すアイソメトリック図解

白髪用カラートリートメントの選び方|市販品で色と負担を見分けるコツ

ドラッグストアに並ぶ白髪用カラートリートメントは種類が多く、どれを選べばよいか迷いやすいものです。染料のタイプ・色味・続けやすさという3つの見方から、髪と頭皮への負担を抑えて選ぶ考え方を美容師が整理します。

髪がまとまらない方へ|ヘアオイル・ミルク・バームの選び方と使い分けの内容を示すアイソメトリック図解

髪がまとまらない方へ|ヘアオイル・ミルク・バームの選び方と使い分け

ヘアオイル・ミルク・バームのどれを選べばよいか迷う方へ。3つの違いと使うタイミング、パサつき・広がり・毛先のはねといった悩み別の選び分け、べたつかせない量とつける位置を美容師の視点で整理します。

夏のあと髪がパサつく・色が抜けた方へ|秋までに立て直すケアの順番の内容を示すアイソメトリック図解

夏のあと髪がパサつく・色が抜けた方へ|秋までに立て直すケアの順番

夏が終わるころになって毛先のパサつきや白髪染めの色抜けが気になっていませんか。夏の負担は季節の変わり目に表れやすいものです。頭皮を休ませ、髪にうるおいを戻し、色を整えるまでの順番を美容師の視点で整理します。

コラム一覧へ戻る

初めての美容室選びで、失敗したくない方へ。LINEで相談・予約する