夏が終わりに近づくころになって、「毛先のパサつきが急に気になる」「白髪染めの色が思ったより早く抜けてしまった」「頭皮がなんとなく乾いている気がする」と感じることはありませんか。

暑さのさなかは汗や日差しをしのぐことで手いっぱいで、髪の変化にはあまり気づかないまま過ごしてしまう方も少なくありません。

ところが、夏に受けた負担は、その最中よりも季節が変わるころにまとめて表れやすいものです。40〜60代は髪が細くなりやすかったり、頭皮が乾燥しやすくなったりと、年齢による変化も重なりやすい時期。

そのぶん「夏の終わりに手触りが変わった」と感じやすくなります。この記事では、夏のあとに残った髪と頭皮の疲れを、秋までにどんな順番で立て直していけばよいのかを、美容師の視点でやさしく整理します。

「頭皮 → 髪 → 色」の順で立て直す

  • 立て直しは、頭皮を休ませる、髪にうるおいを戻す、色を整える、の順に進める
  • 夏の負担は、その最中よりも季節が変わるころにまとめて表れやすい
  • すべてを一度に変えず、洗い方や乾かし方など小さなことから始める
  • 頭皮の赤みや強いかゆみが続くときは、皮膚科などの医療機関に相談する

頭皮を休ませてから、髪にうるおいを戻していく

3つの段階

夏のあとの立て直しは、順番を意識するとうまくいきやすくなります。おすすめしたいのは、「頭皮を休ませる」「髪にうるおいを戻す」「色を整える」という3つの段階を、この順番で進めていくことです。

土台は頭皮

つい先に手が伸びるのは、目に見えてパサついている毛先のケアや、抜けてしまった色の染め直しかもしれません。けれど、髪が生えてくる土台は頭皮です。

汗や皮脂、日差しで疲れた頭皮が乾いたままでは、どれだけよいトリートメントを使っても、心地よさが続きにくくなってしまいます。

まずは頭皮の環境を整えるところから始めるほうが、結果的に近道になることが多いのです。

小さなことから始める

そのうえで、髪には水分と油分を補い、最後に色の見え方を整えていきます。すべてを一度に変える必要はありません。シャンプーの洗い方をやさしくする、乾かし方を見直す、といった小さなことからで十分です。

次の章から、なぜ夏の負担が今ごろ表れるのか、そして段階ごとに何をすればよいのかを順番に見ていきましょう。

立て直しは、この順番で|夏のダメージは頭皮・髪・色の順にケアすると進めやすい

夏のダメージは、季節が変わるころに表れやすい

夏のあいだに受ける負担

夏のあいだ、髪と頭皮はいくつもの負担を同時に受けています。強い紫外線、汗と皮脂、エアコンの効いた室内の乾燥、海やプールの塩分・塩素。

どれもその日のうちに大きな変化として現れるものではありませんが、少しずつ積み重なっていきます。

髪の表面は、キューティクルといううろこ状の層で覆われ、内部の水分やカラーの色素を守っています。紫外線を長く浴びたり、濡れた状態で摩擦を受けたりすると、この層が乱れやすくなり、内側のうるおいや色素が逃げやすい状態になります。

すると、夏の終わりごろになって「毛先だけ手触りが違う」「同じ乾かし方なのにまとまらない」と感じやすくなるのです。

髪と頭皮に表れる変化

白髪染めやヘアカラーを続けている髪は、もともと乾燥しやすい状態にあります。そこに夏の負担が重なると、色の抜け方が早く感じられたり、退色して明るくなった部分が赤みやオレンジみを帯びて見えたりすることがあります。

髪が細くなりやすい40〜60代は、こうした変化が全体の印象として見えやすいのも特徴です。

頭皮も同じです。分け目の地肌は顔よりも無防備に日差しを浴びている場所で、乾燥やつっぱり感につながることがあります。さらに、汗をかくたびに洗いすぎてしまい、必要なうるおいまで奪われていたというケースも少なくありません。

夏のあいだ気づかなかった変化が、涼しくなってから「なんだか頭皮が乾いている」という形で表れてくるわけです。

負担のサインの見分け方

ご自身の髪のどこに負担が出ているかは、いくつかのサインから見当をつけられます。根元は落ち着いているのに毛先だけごわつくなら、長く伸びている部分に紫外線や摩擦が積み重なっているのかもしれません。

全体的にふくらんで広がるなら、髪の中の水分バランスが乱れているサインのことがあります。頭皮がつっぱる、シャンプーのときにしみる感じがあるなら、まず地肌をいたわるほうが先です。

どこから手をつけるか迷ったときの目安にしてみてください。

まず頭皮を休ませることから始める

洗い方を見直す

立て直しの第一歩は、頭皮をいたわる洗い方に戻すことです。汗をかく季節はさっぱりさせたくて、一日に何度も洗ったり、爪を立ててしっかり洗ったりしていた方もいらっしゃるかもしれません。

まずはそこを見直します。基本は一日一回、指の腹で頭皮をやさしくもみ洗いする。それだけで、頭皮に必要なうるおいを残しやすくなります。

シャンプーは、アミノ酸系などのマイルドな洗浄成分のものを選ぶと、乾燥が気になる時期の頭皮には負担を抑えやすくなります。洗う前にぬるま湯で1分ほど予洗いをしておくと、汗や皮脂の多くは流れてくれるので、シャンプーの量も自然と少なくてすみます。

すすぎ残しは頭皮のかゆみやべたつきにつながりやすいので、生え際や耳のうしろまでしっかり流しましょう。

乾かし方と保湿

洗ったあとは、できるだけ早く乾かします。濡れたまま時間が経つと、頭皮が蒸れやすく、髪も摩擦に弱い状態が続いてしまいます。

タオルでこすらず包んで押さえるように水分を取り、根元から風を当てて手早く乾かすのがコツです。頭皮の乾燥やつっぱりが気になる方は、頭皮用のローションで水分を補い、指の腹で軽くなじませてあげると心地よく過ごしやすくなります。

頭皮ケアで避けたいこと

なお、頭皮を「ほぐそう」として強く押したり、爪を立てたりするのは避けてください。

夏のあとの頭皮は敏感になっていることがあります。気持ちよいと感じる強さで、短い時間ふれる程度で十分です。赤みやヒリつき、かゆみが続くときは、無理にケアを重ねず休ませることを優先し、症状が長引くようであれば皮膚科などの医療機関に相談することも検討してください。

パサついた髪にうるおいを戻す順番

インバスとアウトバスの二段構え

頭皮が落ち着いてきたら、髪のケアに移ります。ここでも順番があります。お風呂の中で使うトリートメント(インバス)で内側に水分と栄養を届け、お風呂を出てから洗い流さないトリートメント(アウトバス)で表面を守る。この二段構えが基本です。

インバスのトリートメントは、中間から毛先を中心になじませます。根元から全体に塗り広げると、頭皮のべたつきにつながりやすいので気をつけましょう。

塗ったあと、目の粗いコームで毛先までゆっくりとかすと、傷んだ部分にもむらなく行き渡りやすくなります。放置時間は製品の表示どおりで構いません。

長く置けばよいというものではないので、記載を目安にしてください。

お風呂を出たら、タオルドライのあとにアウトバスのトリートメントをなじませます。夏のあとの髪は乾きやすくなっているぶん、水分と油分の両方を補うと落ち着きやすくなります。

ミルクタイプで水分を、オイルタイプで表面を、と重ねる方法もありますが、つけすぎるとぺたんとしやすいので、毛先中心に少量から試すのがおすすめです。

そのあとドライヤーで根元から乾かし、最後に冷風を数秒当てて表面を整えると、まとまりを感じやすくなります。

摩擦と熱を減らす

週に1〜2回は、洗い流すヘアマスクなどで集中的にうるおいを補う日をつくるのもよい方法です。毎日たっぷり使うよりも、頻度を決めて続けるほうが習慣にしやすくなります。

あわせて、毎日の摩擦を減らすことも意識してみてください。乾いた髪をとかすときは毛先からほぐし、寝るときは髪を高い位置でゆるくまとめておくと、寝ている間の絡まりを抑えやすくなります。

見落とされがちなのが、熱の当て方です。ドライヤーは同じ場所に長く当てず、少し離して振りながら風を送ると、必要以上に乾かしすぎるのを防ぎやすくなります。

夏のあいだ髪をまとめることが多く、ヘアアイロンの出番が増えていた方は、この時期だけでも温度を少し下げて、同じ場所に何度も通さないよう意識してみてください。

うるおいを補う一方で熱の負担が続いていると、手触りの変化を感じにくくなってしまいます。

傷んだ髪との付き合い方

ここで一つ、正直にお伝えしておきたいことがあります。一度傷んでしまった髪の内部は、ケアを重ねても元の状態には戻りません。

できるのは、水分と油分を補って表面を整え、これ以上の負担を減らしていくことです。傷みが強く出ている毛先は、少し切りそろえたほうが手触りもスタイルのまとまりも感じやすくなることがあります。

「切りたくないから伸ばす」と「扱いやすさを取り戻す」のどちらを優先したいか、美容師と一緒に考えてみてください。

色が抜けてきた髪との付き合い方

色が抜ける理由と染め直しの時期

最後の段階が、色の整え方です。夏を越えた髪は、染めたときよりも明るく、赤みやオレンジみが出ていることがあります。この見え方は傷みだけが原因ではなく、髪に入れた色素のうち色味の成分から先に抜けやすいという性質も関係しています。

気になったからといって、すぐに全体を染め直すことが最善とはかぎりません。頭皮の乾燥やヒリつきがまだ残っているときは、少し間隔をあけたほうが負担を抑えやすいこともあります。

根元の伸びだけが気になるのであれば、全体染めではなく根元中心のリタッチにとどめるという選び方もできます。今の状態を見てもらったうえで、染める範囲と時期を決めていくと安心です。

つなぎのケアと次の色味

染め直すまでのあいだをつなぎたいときは、白髪用のカラートリートメントやカラーシャンプーを取り入れる方法もあります。ただし、これらは色味を補うためのもので、白髪をしっかり染めるものとは役割が違います。

次に美容室で染める予定があるときは、何をどのくらい使っているかを伝えておくと、色の設計がしやすくなります。

そして、次に染めるときのために覚えておいていただきたいのが、色味の選び方です。明るめの色や赤みの強い色は、抜けてきたときの変化が目立ちやすい傾向があります。

少し落ち着いたトーンや、寒色を含んだ色味を選んでおくと、退色してきたときの見え方がゆるやかに感じられることもあります。秋は色を深めに振りやすい季節でもあるので、季節の切り替えとして相談してみるのもよいタイミングです。

秋の入り口に、美容師へ伝えておきたいこと

髪について伝えること

美容室で相談するときは、「なんとなく傷んだ気がする」よりも、具体的に伝えるほうが提案を受けやすくなります。夏のあいだに海やプールに入ったか、屋外で過ごす時間が長かったか、市販の白髪染めやカラートリートメントを使ったか。

こうした情報は、髪の状態を見立てるうえで大きな手がかりになります。

頭皮について伝えること

頭皮のことも遠慮なく伝えてください。染めるときに沁みたことがある、夏のあいだかゆみが続いていた、フケが増えた気がする——そうした変化がわかれば、薬剤の選び方や塗り方、施術の間隔まで含めて、状態に合わせて提案してもらえます。

刺激が気になる方には、低ジアミンやノンジアミンといった選択肢を含めて検討することもできます。

抜け毛や頭皮の症状が気になるとき

秋になると抜け毛が増えたように感じる方もいらっしゃいます。季節の変わり目に一時的に感じやすいものではありますが、気になるときは一人で抱え込まず、頭皮の状態を見てもらいながらケアの方向を決めていくと安心です。

頭皮の赤みや強いかゆみ、痛みが長く続く場合や、抜ける量の増え方が急だと感じる場合は、美容室でのケアだけで様子を見ず、皮膚科などの医療機関に相談することも大切です。

美容師に伝えたい3つのこと|夏のあとの相談は、具体的に伝えると提案を受けやすい

秋のきれいは、夏の終わりの手当てから

順番を意識する

夏のあとの髪と頭皮は、思っている以上に疲れています。けれど、やることを一度に増やす必要はありません。まず頭皮を休ませ、次に髪へうるおいを戻し、最後に色を整える。

この順番を意識するだけで、秋に向けた立て直しは進めやすくなります。

迷ったときは美容師に相談する

三島市や沼津市のように日差しの強い地域で夏を過ごしたあとは、なおさら手触りの変化を感じやすいものです。自宅のケアを整えても戻りにくいと感じるときや、頭皮の状態に迷いがあるときは、無理に自己流で抱え込まず、美容師に相談しながら自分に合うやり方を見つけていきましょう。

夏の終わりにかけたひと手間が、これから迎える秋の髪を支えてくれます。

この記事のまとめ

  • 夏の負担は、季節が変わるころにまとめて表れやすい
  • 頭皮を休ませる、髪にうるおいを戻す、色を整える、の順に立て直す
  • 一度傷んだ髪は元には戻らないため、うるおいを補って表面を整え、負担を減らしていく
  • 気になる症状が続くときや迷うときは、美容師や皮膚科などの医療機関に相談する