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40〜60代の前髪が決まらない方へ|分かれる・ぺたんこ・白髪の整え方

40〜60代の前髪が決まらない方へ|分かれる・ぺたんこ・白髪の整え方の内容を示すアイソメトリック図解

「朝は整えたはずなのに、家を出るころには前髪が左右に分かれている」「昔と同じ長さで切っているのに、どうも決まらない」——40〜60代の女性から、前髪についてのご相談をよくいただきます。髪全体の悩みに比べれば小さなことのようでいて、鏡を見るたびに視界に入ってくるのが前髪です。切るのはほんの数分で終わる部分なのに、一度気になりだすと一日じゅう落ち着かない——そんな厄介さを持った場所でもあります。

前髪は、顔のいちばん近くにある髪です。面積としてはわずかでも、割れ方やボリュームの出方で、鏡に映る印象はずいぶん違って見えます。そして40代以降は、髪質の変化・生えぐせの出方・白髪の混ざり方が重なり、以前と同じ扱い方では収まりにくくなることがあります。この記事では、前髪が決まらないと感じたときに何をどう見ていけばよいのかを、美容師の視点で順を追って整理します。

前髪の悩みは「分かれる・ぺたんこ・白髪」に切り分ける

前髪が決まらないと感じたとき、まず切り分けておきたいのが「左右に分かれる」「ぺたんこに見える」「白髪が目立つ」という3つです。見た目はどれも同じ“決まらない前髪”ですが、背景にあるものが違うため、打てる手も変わってきます。

分かれるのは生えぐせと乾かし方の影響が大きく、ぺたんこは根元の立ち上がりと髪そのものの質感が関わり、白髪の目立ちやすさは顔まわりに光が当たりやすいことと関係します。「前髪が変だから切ろう」と一足飛びに考える前に、この3つのどれがいちばん気になっているかを決めておくと、遠回りをせずに済みます。

そしてもうひとつ、覚えておいていただきたいことがあります。前髪は、切る前に「乾かし方」で動かせる部分が大きい場所だということです。長さを変えるのは一度切ってしまうと戻せませんが、乾かす順番を変えるのは明日の朝から試せて、合わなければやめられます。順番としては、まず乾かし方、それでも収まらなければ切り方、という流れが無理がありません。逆に、乾かし方を変えないまま長さだけを詰めていくと、前髪はどんどん短くなるのに収まりは変わらない、ということが起こりがちです。切ってから「思っていたのと違う」となりやすいのも、この順番が入れ替わっているときです。

前髪を整える朝の3ステップ|前髪の根元を濡らし直してから乾かすと、分かれ方や立ち上がりが変わります

前髪が左右に分かれる・割れてしまうのはなぜ

前髪が同じところで割れてしまう背景には、生えぐせがあります。髪は毛穴から一定の方向に向かって生えていて、その向きは人によって決まっています。若いころは髪の量や太さで押さえ込めていたものが、髪が細くなったり量が変わったりすると、もともとの向きが表に出やすくなるのです。

もうひとつよくあるのが、根元が乾いた状態のまま一日が始まっているという状況です。前髪は面積が小さいぶん、朝いちばんに自然乾燥しやすい場所でもあります。根元が乾ききってから整えようとしても、髪はすでに前の晩の形を覚えたままです。分かれ方が気になる日は、毛先ではなく「根元だけ」を一度濡らし直してみてください。

濡らしたあとは、生えぐせと逆の方向へ根元を倒しながら乾かします。右に流れるくせがあるなら左へ、左に流れるなら右へ、指の腹で根元を左右に振りながら風を当てるイメージです。最後に手を離して自然な位置に戻すと、どちらにも倒れきらない状態に落ち着きます。乾いた直後は形が動きやすいので、少し冷ましてから整えると、その形が保たれやすくなります。

夜の乾かし方も、翌朝の前髪に影響します。お風呂上がりに前髪を放っておくと、そのときの向きのまま乾いて一晩固定されてしまいます。全体を乾かすときは前髪から先に、根元を起こしながら風を当ててみてください。朝に直す手間が減り、濡らし直す回数も少なくて済みます。

季節によっても収まり方は変わります。汗をかきやすい時期や湿気の多い日は、朝に整えた形が保ちにくくなります。前髪だけ崩れやすいと感じる日は、根元を乾かしきってから出かける、汗をかいたら早めに乾かす、といった小さな対応で差が出ます。整髪料で固めるよりも、乾いた状態を保つほうが日中の扱いやすさにつながることが多いものです。

ぺたんこ・薄く見える前髪の背景にあるもの

前髪が寝てしまう、以前より薄く見えるという場合、原因はひとつではありません。髪一本一本が細くなってハリを感じにくくなること、根元が立ち上がりにくくなること、そして同じ分け目を長く続けてきたことなどが、少しずつ重なっていることが多いものです。

見落とされやすいのが、ヘアケア用品の重さです。しっとりした仕上がりのシャンプーやトリートメント、洗い流さないトリートメントを前髪の根元近くまでつけていると、髪が持ち上がりにくくなることがあります。前髪だけは軽い仕上がりのものにする、あるいはつける位置を中間から毛先に限る、といった調整で変わる方もいらっしゃいます。

分け目についても、ときどき位置を変えてみてください。何年も同じところで分けていると、そこだけ根元が固定され、地肌が見えやすくなります。1〜2センチずらすだけでも、根元の向きが変わって立ち上がりの見え方が違ってきます。すぐに元へ戻ってしまう場合は、根元を濡らしてから新しい分け目で乾かすと、その位置になじみやすくなります。

寝ている間の当たり方も関わります。毎晩同じ向きで枕に当たり続けると、前髪の根元はその方向へ押さえつけられたまま朝を迎えます。夜のうちに前髪の根元まで乾かしておく、枕に当たる面の摩擦を減らすなど、前の晩にできることを少し増やしておくと、朝に立て直す手間が減ります。朝の時間が取りにくい方ほど、この準備が効いてきます。

前髪の量そのものを見直すこともできます。薄く取りすぎると地肌が透けて見えやすく、逆に厚く取りすぎると重みで寝てしまいます。どのくらいの幅と厚みで前髪を取るかは、切るときに調整できる部分です。ただ「ボリュームが気になる」とだけ伝えると、量を減らす方向で受け取られてしまうことがありますので、「根元が立ち上がらないのが気になる」と具体的に伝えるほうが意図が伝わりやすくなります。

前髪の白髪が目立ちやすい理由と、染めるときの考え方

「顔まわりの白髪だけ早く伸びてくる気がする」というお声も、よくいただきます。実際に生え際は白髪が集まりやすいという方もいらっしゃいますが、それ以上に大きいのは「見える回数」と「光の当たり方」です。前髪は毎朝いちばん近くで見る場所で、外出先でも明るい光が当たります。同じ数ミリの伸びでも、後頭部より気づきやすいのは自然なことです。

だからといって、気になるたびに全体を染めるのは、頭皮への負担が積み重なりやすい進め方です。ひとつの考え方として、全体染めの間隔は変えずに、間の時期に顔まわりだけを部分的に染める方法があります。染める面積が小さいぶん時間も短く済み、気になる場所だけを整えられます。頭皮の状態や染める間隔によって向き不向きがありますので、どこがいちばん気になるかを伝えて相談してみてください。

見せ方の工夫で乗り切れる時期もあります。前髪をぱつんと下ろすと生え際の白い線が横一直線に見えやすいのに対し、少し斜めに流すと境目がぼやけて見えます。分け目をジグザグに取るのも同じ考え方です。染める回数を増やさずに、気になる時期をやり過ごす手立てとして知っておくと、選択肢が増えます。

あわせて見ておきたいのが、頭皮の状態です。顔まわりは頭皮の中でも皮膚が薄く、汗や皮脂も出やすい場所です。染める頻度を上げるほど、その負担は積み重なりやすくなります。以前ヒリヒリを感じたことがある方、赤みやかさぶたがある日は、無理に染めずに時期をずらす判断も必要です。気になる部分と頭皮の状態の両方を見てもらったうえで、どのくらいの間隔で進めるかを決めていくと安心です。

前髪を作るか、伸ばすか——迷ったときの考え方

40代以降になると、「そろそろ前髪をやめたほうがよいのか」「逆に作ったほうが気にならないのか」と迷われる方が増えます。どちらが正解ということはなく、日々どこに手間をかけられるか、どこが気になっているかで決まります。

前髪を作ると、生え際の白髪や額の面積は隠しやすくなります。一方で、伸びるのが早い場所ですから、1か月から1か月半ほどで切りそろえる手入れが必要になります。伸ばして横に流す場合は、切る頻度は下がりますが、朝の乾かし方で流れを作る手間がかかります。どちらを選んでも、まったく手がかからない前髪というのはありません。

迷っているときは、「作る」「伸ばす」の二択にせず、その中間の長さで一度止めてみるのも方法です。目にかからず、横に流せば頬まで届く長さにしておくと、日によって下ろすことも流すこともできます。伸ばす途中でいちばん扱いにくい時期を、この長さで越えていく形です。今どちらに向かいたいのかを伝えておけば、途中の切り方もその方向に合わせてもらえます。

長さを決めるときのもうひとつの目安が、眉と目の位置です。眉が隠れる長さにすると顔まわりの印象はやわらかくなりますが、視界が狭くなり、目にかかる時期の手入れが増えます。眉が見える長さにすると表情は出やすくなる一方、生え際の白髪は隠しにくくなります。どちらを優先したいかを言葉にしておくと、長さの相談がぐっとしやすくなります。

前髪の長さ 3つの選び分け|下ろす・横に流す・伸ばす途中で、手入れの手間と隠せる場所が変わります

明日の朝、前髪と向き合うために

前髪が決まらないと感じたとき、いきなりはさみを入れる前にできることがあります。まず「分かれる・ぺたんこ・白髪」のどれがいちばん気になるのかを決め、次に根元を濡らして乾かし直すところから試してみてください。乾かし方は今夜から変えられて、合わなければ元に戻せます。長さや分け目を変えるのは、そのあとでも遅くありません。順番を守るだけで、ここ数年うまくいかなかった理由が見えてくることもあります。

それでも収まらないときは、前髪だけを整えに行くという選択肢もあります。切る・切らないをその場で決めなくても、生えぐせがどちらに向いているのか、今の長さがどう影響しているのかを見てもらうだけでも、次の一手が決めやすくなります。髪質の変化は少しずつ進むものですから、以前うまくいっていた切り方が今の髪に合わなくなっていることもあります。毎日いちばん近くで見る場所だからこそ、ひとりで抱え込まず、気になる方は美容師にご相談ください。

大事なポイント

Q.前髪が左右に分かれてしまうのは、切り方が悪いからですか?
A.切り方だけが理由とは限りません。生えぐせの向きや、根元が乾いた状態のまま固まってしまうことも関わります。前髪の根元を一度濡らしてから、生えぐせと逆の方向に倒して乾かすと、分かれ方がやわらぐことがあります。それでも同じところで割れる場合は、分け目の位置や前髪の幅を切るときに調整できるか、担当の美容師に相談してみてください。
Q.前髪だけ美容室で切ってもらうことはできますか?
A.前髪カットのみを受け付けているお店は多くあります。次の白髪染めまで間が空くとき、前髪だけ整えたいというご相談はよくあるものです。所要時間も短く済むことがほとんどですので、予約時に「前髪だけ」と伝えておくと当日の流れがスムーズです。料金や受付の可否はお店によって異なりますので、事前に確認しておくと安心です。
Q.前髪の白髪だけが早く伸びてくるように感じます。気のせいでしょうか。
A.顔まわりは鏡で毎日見る場所であり、明るい光も当たりやすいため、同じ長さでも目立って見えやすい場所です。生え際は白髪が集まりやすいという方もいらっしゃいます。染める間隔を全体に合わせると気になる時期が出やすいので、顔まわりだけ先に部分的に染める方法が向くこともあります。どこがいちばん気になるかを伝えて、染め方を相談してみてください。
Q.前髪を伸ばしている途中が扱いにくいのですが、どうすればよいですか。
A.伸ばす途中は、目にかかる長さから頬骨のあたりまでがいちばん落ち着かない時期です。この時期は横に流せる長さまで切りそろえておくと、まとまりが取りやすくなります。ピンで留める、耳にかけるなど日によって変えられる長さを目標にすると、伸ばす期間の負担を抑えやすいでしょう。今どのくらいの長さを目指しているかを伝えておくと、途中の切り方も合わせてもらえます。
Q.前髪にボリュームが出ないとき、パーマは向いていますか。
A.根元の立ち上がりを出したいときに、前髪へ弱いパーマをかける方法はあります。ただし白髪染めを続けている髪では、同じ時期に重ねると負担が集まりやすいことがあります。今の髪の状態、直近で染めた時期、普段の乾かし方を伝えたうえで、順番や間隔を含めて美容師に相談して選ぶのが安心です。乾かし方の見直しだけで変わることもあります。

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